NECが中国の流通向けSI事業強化で地元のソフト会社を買収
07 9/17
NECは、ソリューションビジネスのグローバル戦略の一環として、中国の流通事業者向けSI事業の強化を図るため、北京のソフト会社に資本参加し、子会社化した。中国の流通業界は市場が活発でIT投資も拡大し続けていることから、NECの中国ソフト子会社に加え、流通業に強い現地ソフト会社に資本参加することで開発および販売基盤を固める考えだ。これにより、中国における流通サービスソリューション事業で09年度に100億円の売上高実現に弾みをつけたいとしている。
NECが資本参加したのは、北京に本社を置く「北京長益信息科技集団」で、流通小売業向けのソフト開発およびシステムインテグレーション事業を展開している。従業員は200名だが、パッケージソフト「商友シリーズ」をベースに、地方のパートナーとの協業により中国全土にわたって百貨店やショッピングモール向けのSIで実績をあげている
中国では現在、来年の北京オリンピックや10年の上海万国博覧会の開催を控えており、市場開放やインフラ整備が整いつつある。これに伴い、流通・小売業界は年率14%の成長率で市場が拡大すると共に競争も激化してIT投資は年間16%となっている。こうした流通業界に、NECが得意とするグローバル流通サービスソリューションのノウハウで市場参入した。
NECの中国現地法人である「NEC信息系統(中国)有限公司」(NECソリューションズ中国)は、華北・華東地域でコンビニやスーパーなどを中心にSI事業を展開している。しかし、本格参入するには中国全土を網羅するビジネスパートナーが必要なことから、NECソリューションズ中国を通じて長益社の株式の51%を取得し子会社化した。
NECは4月に、流通サービスソリューション事業のグローバル展開を強化するため専任の「グローバルリテール・サービスソリューション事業部」を立ち上げており、北中米、中華、東南アジア/インドの3地域をターゲットとして活動している。今回の中国市場への進出により、09年度のグローバル流通ソリューション関連事業の売上高目標である200億円のうち、半分の100億円を新たな市場で打ち出す考えだ。