マイクロソフト社がノベル社と提携

06 11/13

 米マイクロソフト社は、ウインドウズの競合であるLinux関連製品を開発・販売している米ノベル社と、データの互換性など相互運用性を持たせた製品や技術の開発と販売で提携した。サーバー市場ではLinuxがウインドウズのシェアを奪いつつあるが、マイクロソフト社は競合のLinuxと連携することでシェア確保を狙う。一方のノベル社はアプリケーションが豊富なウインドウズユーザーを取込むことでLinuxの普及が見込めることになる。マイクロソフトとしては自社ソフトでの囲い込み戦略を転換させた重要な選択といっていい。

 今回の提携は、ウインドウズとSUSELinuxが同一サーバーでシームレスに稼働できる環境や、オフィスツールのデータをそれぞれのアプリケーションで利用可能にする文書フォーマット互換技術などを共同で開発するもの。販売も含めて総括的な提携になったとしている。
 特に、サーバーの負荷を低減する仮想化技術、物理サーバーと仮想サーバーの双方を管理するWebサービス技術において、ウインドウズとLinuxの統合利用を可能にする技術開発を行う考えで、複数サーバーが稼働する情報システムの実現に対するユーザーの要望に応える。
 マイクロソフト社は今後、SUSELinuxエンタープライズサーバーを同社の推奨OSとして認証するとともに、OSなどの特許に関する訴訟問題などが生れないように、同サーバーのメンテナンスとサポートに利用できるサービス体系を提供していく、
 これまでマイクロソフトは、ウインドウズをベースにマイクロソフト製品で情報システムとユーザーを囲い込む戦略を展開してきた。しかし、サーバー市場ではLinuxがウインドウズの牙城を崩しつつあり、基幹系にもLinuxが導入されてきている。
 マルチベンダー対応が主流になっている現在、ここでウインドウズに固執して無理のある囲い込み戦略を継続するよりは、Linuxというオープンソースソフト(OSS)と連携することで、ウインドウズ関連製品を含めたシェアの確保を狙った。この提携はマイクロソフトにとって大きな転換点となりそうだ。

 マイクロソフト http://www.microsoft.com/japan/
 ノベル     http://www.novell.com/home/index.jsp