ITサービス業の中間決算は半数が売上高2けた減に

09 12/7

 景気回復の先行きが不透明な中、東京証券取引所、大阪証券取引所、名古屋証券取引所の一部・二部、およびJASDAQに上場するITサービス企業119社の2009年度中間決算が相次いで公表された。ユーザーのIT投資抑制の影響がもろに現れたことを如実に示す数字が並んだ。売上高では、前年同期比マイナスとなったのが全体の8割近くで、赤字となった企業数は89社に上る。10年3月期の業績予想も厳しい状況が続いており、ITサービス会社のさらなるコスト圧縮策が続きそうだ。

 ITサービス産業の上場企業119社の2009年9月期決算の内容は、不況によるユーザーのIT投資抑制を受けて喘いでいる姿が映し出されている。
  売上高をみると、119社全体の77・3%となる92社が前年同期比減少となり、うち2けた減が63社あった。特に減収が多かったのは一部上場企業で、84%が減収となっている。
  営業利益および純損失では、営業利益が前年同期比で減少した企業数は、一部・二部上場が6割超だが、JASDAQ組は3割にとどまっている。これは営業赤字となった企業がJASDAQに22社あったことが要因で、企業規模が小さくなるほど売上高減の影響は強い。
  社会の景気回復を待つまでもなく、各社は販売管理費などのコスト削減策だけでなく、新たなビジネスモデルの模索などできるだけの手を打ち、売上高の低減に対抗していこうとしていることが伺える。
  そうした対策を施した中で、2010年3月決算期の業績予想は、減収と見ているのが74・8%の89社で、一部上場企業は44社中35社が減収を予想している。
  一方、営業利益が減益となるのは、一部上場企業に多く31社で一部上場全体の7割を占める。赤字と見るのは、一部上場企業ではゼロだが、二部上場で2社、JASDAQで5社あり、各社の懸命な選択と集中による生残り策で大崩れを防いでいる。
  中間期はITサービス業界の常として、減収減益または赤字でも3月期決算で黒字化または増収を見込むことが多い。今年度もその傾向が強いのだが、中間決算を前に業績予想を下方修正する企業が続出したのも致し方のない状況にある。