経産省の09年度情報政策関連予算は538億円に
08 9/8
経済産業省は、09年度予算の概算要求を明らかにした。資源高という背景のもとで「エネルギー需給構造革新」「新たな成長メカニズムの確立」「地域・中小企業の活性化」を柱に、一般・特別会計を合せて総額1兆6348億円の要求となるなか、情報政策関連の予算概算要求額は本年度の当初予算額をやや上回る538億円となった。重点施策および要求額の内訳は、大枠で「ITによる我が国の成長力の強化」に412億円、「ITの活用によるシームレスな経済圏の構築」に48億円、「IT活用基盤・環境整備」に188億円となっている。
来年度の情報政策を掘り下げると、まず重要施策として「グリーンIT」の加速化があげられる。その中でIT機器の省エネと、ITを活用した社会の省エネの実現を目的とした「グリーン・クラウドコンピューティング技術開発等の推進」に、昨年度の2倍強となる68億円を計上した。
これにより、サーバーやネットワーク機器などの省エネに加え、大規模かつ低消費電力型のデータセンターを開発するための要素技術を開発する。省エネ関係では、このほかに住宅全体のエネルギー制御を行うための「次世代型高効率エネルギー利用型住宅システム」に新規に1億5千万円を計上している。
グローバル関連の施策では、新たに日本主導のアジアIT経済圏の構築を目的とする「アジア域内における企業へのIT等の知識経済化支援」に4億円を計上した。セキュリティやグリーンIT技術をアジア域内に浸透させ、アジアの知識経済化を促進する。
国内向けには、地域および中小企業を活性化するための施策として、広域地域経済圏をベースとして地場の製造業やサービス業などの地域産業と地元のITベンダーの連携強化を図る「地域イノベーションパートナーシップ」に本年度を上回る12億円を計上した。
また、新しい情報サービス産業の創出を目的として、「ITとサービス・コンテンツの融合による新市場創出の促進」に19億円を計上し、地理空間技術や無線技術などのIT技術を活用し、医療や高齢化分野など、ユーザーの目線および生活起点で新しいサービスを創出するための実証実験を行う。
このほかの主な予算要求は、「中小企業向け中小SaaSの普及」に20億円、「高度IT人材等の育成」に17億円、「IT経営応援隊活動の展開」に9億円などとなっている。