経産省の来年度予算は1兆2千億円に

07 9/3

 経済産業省は、一般会計の合計が1兆1938億円となる来年度の概算要求を明らかにした。最重点政策とするのは、構造的な成長制約要因を排除して成長力の底上げを図るため、「地域・中小企業の底上げ」「安全・安心の確保と高信頼性産業群の創出」「地球環境対策」の3点を掲げた。これに継続して推進すべき重要施策を追加している。中でも地域・中小企業の景気回復が遅れていることを受け、重点施策推進要望として450億円を充てている。IT関連の予算は今月末にも具体的な項目を明らかにする予定となっている。

  来年度の経済産業政策の重点項目として、まず「緊急に取り組むべき最重点3本柱」と「引き続き強力に推進すべき重要施策」の2段階で構成した。概算要求額は特別会計への繰入を入れた一般会計が1兆1938億円、特別会計が1兆1886億円となっている。
  中でも緊急最重点として@地域や中小企業、国民一人ひとりの潜在力発揮による成長の底上げA成長の基盤となる安全・安心の確立と高信頼性を強みとする産業の創出B地球環境と成長の両立に向けた我が国のリーダーシップの発揮―の3本柱に3959億円を充填する考えだ。
  内訳をみると、成長の底上げに497億円を充てた。そのうち、新規項目としてIT化などを通じた中小企業・小規模企業の経営能力向上支援に127億円を割いている。同じく新規で中小・ベンチャー企業の研究開発を促進する「SBIR制度の強化」に10億円としている。人材育成策も緊急対策のひとつで、IT関連を含めて産学連携による人材育成の推進に37億円を充てている。
  一方、引き続き推進すべき重要施策として、イノベーションの加速による成長力・競争力の強化に2702億円、地域・中小企業の潜在力発揮による活性化に779億円、環境と経済の両立を目指した経済社会の構築に2240億円などを充てている。
  IT関連では、「IT革新による経済社会システムの変革」として、ITを使って環境や安全など社会的課題解決を目指す。具体的には、電子タグ・EDIの共通基盤の構築に16億円、大幅な省エネを目指す「グリーンITプロジェクト」の推進に48億円、共通的な製品組込みソフトや情報システムの技術開発に17億円などが新規として計上されている。

 平成20年経済産業省の概算要求等について