IPAがソフト開発プロジェクトの見積り支援ツールを公開

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 情報処理推進機構ソフトウェア・エンジニアリング・センター(IPA・SEC)は、ソフトウェア開発プロジェクトの定量的見積りを支援するツール「CoBRA法に基づく見積り支援ツール」を公開した。最低3件の過去プロジェクトデータを投入すると、データに基づいた見積りが可能になる。見積りの結果はグラフで表示され、リスク評価も行える。経験と勘に依存せず、データと工学的アプローチに基づき、要因が可視化された見積りの作成が可能となる。同ツールは、IPA・SECのサイトで利用者登録すると、無償でダウンロードできる。

 見積り支援ツールは、ドイツのフラウンホーファー協会傘下のIESE(実践ソフトウェア工学研究所)が開発したコスト見積り手法「CoBRA(コストエスティメーション・ベンチマーキング・アンド・リスク・アセスメント)法」を採用しており、同手法をツール化したのは、「国内初、世界でも2番目」(SEC)としている。
 同手法は、過去の少数のプロジェクトデータがあれば、経験が豊富なプロジェクトマネージャーの知識を変動要因として定義することで、プロジェクトの工数を算出することができるもので、2008年にSECは、IESEと共同研究によるCoBRA法に関する報告書を発表している。
 公開したツールには、同調査において国内で収集した事例をもとに、「顧客の協力度合い」「開発システムへの精通度合い」「品質管理に対する要求度合い」などの実データを元にした工数変動要因が盛り込まれている。
 これらの変動要因のデータを自社のプロジェクト実績に基づいてツールに入力することで、プロジェクトの工数見積値やリスクが可視化され、影響がある部分にリソースを投入するなどの対応や、ユーザーに対してプロジェクトのコストや長期化を説明する際などに役立つ。
 プロジェクト参照数は、本来10件を推奨としているが、最低3件のプロジェクト実績があれば実用データが得られる。

    ツールは、変動要因があらかじめ組み込まれ、ナビゲーション機能によって簡単に見積りやリスク評価ができる初心者用の「簡易見積りモデルツール」と、自社の特性に合せた独自の変動要因を設定でき、高精度な見積りとリスク評価が可能な「統合見積りモデルツール」の2種類を提供する。統合版は、見積り結果をグラフィカル表示し、印刷することも 可能となっている。

関連サイト

情報処理推進機構ソフトウェア・エンジニアリング・センター(IPA・SEC)