産業技術大学院大学などがIT人材育成機関を設立
09 4/15 産業技術大学院大学の石島辰太郎学長や、グローバル・コロキウムの金子奉義副理事長、フォスターネットの小川文雄CEOらは、ユーザー企業のIT人材を育成する新たな産学連携の協議会「ビジネスデザイン推進機構」を今月中に設立することを明らかにした。事務局は、フォスターネットに置く。大学と連携し、カナダのIIBAが開発したビジネス分析のための知識体系「BABOK」と情報システムユーザースキル標準「UISS」をベースにした教育・研修を行うことで、経営方針に則ったITシステムの導入を提案・推進できる人材を育成する。
ビジネスデザイン推進機構は、ユーザー企業の情報システム部門を対象に、「BABOK」と「UISS」をベースにした教育・研修を行い、従来のシステム視点≠ナはなく、経営視点≠ノ則ったITシステムを導入できる人材を育成する。
研修は、営業管理や生産管理、品質管理などの業務知識について実務経験を有する教授陣がWebセミナー形式で行う。ナチュラシステムズが開発したWebアプリケーションの作成・編集をユーザーが行える「Exfront(エクスフロント)」を教材として用い、PBL(プロブレム・ベースド・ラーニング)として、実際のプロジェクト形式で実施する。
質疑応答が行えるなど教授陣と受講者が双方向に授業を進められるように工夫した。受講期間は3カ月、半年、1年を用意しており、講義終了後は産業技術大学院大学が単位として認定する。
産学共同による取組みは、これまで大学や研究機関で生み出された技やノウハウを民間企業が産業化するケースがほとんどだったが、協議会では、「ユーザー企業の情報システム部門の担当者が、授業で習得した知識や経験を実務で活かせるようにした」(小川文雄CEO)としている。既に複数の大手ユーザー企業が協議会への参加を表明しているという。
発注者側であるユーザー企業の情報システム担当者をUISSによる教育でITスキルを向上させ、併せてBABOKでビジネス分析という視点を持たせることで、従来のシステムの発注者/受注者間で取り交されるあいまいな要件定義で生じていたシステム開発案件の仕様変更や手戻りをなくし、ベンダー任せのシステム開発を是正していきたい考えだ。
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