NECが社長交代、遠藤常務が新社長に昇格
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NECは、次期社長を含む役員人事を発表するとともに、2012年度までの中期経営計画を明らかにした。役員人事は4月1日付けで、新社長には取締役執行役員の遠藤信博常務(56)が就き、矢野薫社長(66)は代表取締役会長となる。一方、クラウドコンピューティングをベースとしたビジネスモデルを展開する2012年度までの中期経営計画を明らかにした。「今後の市場拡大を考えるとグローバル展開が欠かせない」(遠藤常務)として、世界戦略を強力に推進し、2017年には売上高の海外比率を50%まで引き上げる方針を示した。
今回の社長交代について矢野薫社長は、「今後はグローバル対応をさらに促進する必要がある。過去の経験を評価して遠藤常務を抜擢した」といい、中期経営計画で課題としたグローバル展開での手腕に期待をかけた。
新社長となる遠藤常務は、「海外市場を拡大しない限り成長はない」と強調している。その遠藤常務は53年生れの56歳で神奈川県出身。81年に東京工業大学大学院理学研究科博士課程修了、日本電気に入社した。03年モバイルワイヤレス事業部長、06年執行役員兼モバイルネットワーク事業本部長、09年現職に。主にモバイル・ワイヤレス分野にかかわり、超小型マイクロ波通信システム「パソリンク」をトップシェアに押し上げている。
一方、発表した中計は、「NECグループビジョン2017」を実現するための施策を明らかにしている。まず2012年度の売上高は09年度予想より9・3%増の4兆円を目標に置いた。当期純利益も1千億円の黒字を見込む。
ICTをベースとして、エンタープライズ、ソーシャルインフラ、テレコムキャリアなどをからめて、顧客ニーズに合った複合ソリューションを提供する。また、キーワードに「クラウドコンピューティング」「グローバル市場展開」を掲げ、クラウドサービス、クラウド環境構築など関連事業で1兆円の売上げを目指す。グローバル進展では、アジアや新興国へのICTソリューション展開を進めていく。
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