PCデポのサポートビジネス問題

16 8/22

 パソコンショップを展開するピーシーデポコーポレーション(PCデポ)が、独居老人に対して過剰かつ高額なサポート契約および解除料金請求を行ったというツイートが実名入りのレシート付きでネットに拡散された。これを受けて同社が対応策を公表する騒ぎとなっている。
  私的な話だが、自宅近くにも店舗があり、量販店のように店員が貼りついて来ないうえ、聞けばしっかりと答えてくれるため、10数年前から時折足を運んでいた。ある時から店の端にカウンターを設置してパソコン修理のサポートデスクを開設し、ソフトやIT機器の販売スペースが縮小していくなか、逆にサポートデスクのスペースが広くなっていった。他のショップは次々と消えていったが、同社はリソースを横展開し、サービスへとシフトして成功した。
  ただ、PCを普通以上に扱えるスキルを持っている人から見ると、料金設定は割高にみえる。それでもPCが苦手な高齢者や急にトラブルを抱えた人にとっては必要なサービスだったため、ここまでビジネスが伸びた。ネットでは非難が多い中で「サポートの月額1万5千円という金額が高いのか」「一概に悪徳商法だと断罪するのはいかがなものか」という擁護の意見も見られるが、わからないから尋ねてきている1人暮らし80代の老人に対して端末10台のファミリー契約を薦めるというのはやはりサービスとはいえない。
  PCやスマホのサポートは、これからも必要になるサービスだ。IT化と高齢化が加速度的に同時進行するため、困っている人は必ず出てくるし老人を狙った訪問販売や通販などは他にも存在する。そこでPCデポには、ペッパーのようなロボットに介護・見守りに加えてIT活用においても弱者や老人を補助できるような機能を実装できれば、商材も増えるしコミュニケーションロボット自体のキラーコンテンツにもなるのでは、と最後に提案したい。 (I)