大阪府が開発に着手、施設統合維持管理システム
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大阪府は、都市基盤施設(土木施設)を効率的・効果的に維持管理するための「大阪府都市基盤施設維持管理データベースシステム」を構築する。施設の点検・診断結果や補修履歴などのデータを継続的に収集・一元管理しながら、施設の老朽化の予測や補修対策の検討に活用していく。府下の自治体や大学、企業と情報を共有し、タブレットなどの最新ITを活用して老朽化が進む施設の点検や保守対応を効率化する。データベース(DB)システムは、今秋に仮運用を開始し、2019年度から本格的な運用を開始する。
JTSのパッケージで構築
高度経済成長期に建設された都市インフラの老朽化が全国的に進むなか、特に大阪府では都市基盤の整備が集中して行われたため、全国と比べて早い時期に一斉に各インフラの更新時期を迎える。
そのままではいずれ人命に関わる事故発生や補修・更新による歳出の集中、府下自治体での予算・リソース不足などの問題発生が予測されるため、府は13年に審議会を発足、効果的な各種施設の維持管理の仕組み作りを検討し、今回システムの開発に着手した。
維持管理DBシステムは、維持管理データの一括管理から現場での点検業務をタブレットの活用で効率化する機能や修繕計画の策定支援、発注や予算執行の管理などの機能を備える。
管理の対象となる施設は、「道路(含モノレール)」「河川・砂防」「海岸」「港湾」「公園」「下水道」で、利用者には、府下の自治体や大学、業務を受託する企業が含まれる。府と市町村は、ポータルサイトを介して維持管理・調査・設計・施工などのノウハウ集や、点検手法や講習会資料などの教育コンテンツを共有する。受託業者も、点検や補修工事に必要な施設情報の提供を受け、点検や補修工事の結果を登録する。
システムの開発および運用は、NTTデータグループで日本電子計算(JIP)子会社のJIPテクノサイエンス(JTS)が行う。JTSは、以前にも04年から稼働している東京都のアセットマネジメントシステムを構築した実績があり、それらのノウハウを盛り込んだ道路施設統合管理システム「長寿郎(ちょうじゅろう)」シリーズなどの複数の自社開発パッケージソフトを揃えている。今回これらのパッケージを活用して、短期間・低コストでシステムを構築する。