佐賀県武雄市が小学生にプログラミング教育

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 佐賀県武雄市は、東洋大学、ディー・エヌ・エー(DeNA)と協定を結び、小学校1年生にプログラミング教育を実施する。武雄市立山内西小学校の1年生全40人を対象に、10月から来年2月まで実証事業として行う。タブレットPC上で動く専用のソフトウェア開発をDeNAが、その成果・教育への効果の分析を東洋大学がそれぞれ無償で行う。「タブレットで小学校1学年全員にプログラム教育を行うのは、世界初」(東洋大松原聡教授)となる。「ICT教育プログラミング黎明期におけるロールモデルになるように3者協力で臨む」(樋渡啓祐市長)としている。

 武雄市はICT教育を推進しており、4月に全小学生にタブレットを配布し、5月には「武雄スマイル学習」と呼ぶタブレットを使った予習型の反転授業を開始している。
教育政策分野をみると、政府の世界最先端IT国家創造宣言で、初等・中等教育におけるプログラミングの強化が掲げられている。海外の事例では、フィンランドで小学校でのプログラミング教育の実施が決定している。
 このようにICT教育熱が高まりを見せるなか、小学生低学年向け教育事業に力を入れるDeNAの南場智子取締役が、「グローバル人材として活躍するためには、最低限母国語、英語、プログラミング力が必要。言語学習は幼少の折に始めるのが効果的」という考えのもと、武雄市ICT教育推進協議会委員長を務める東洋大松原教授に同構想を打診し、タブレット導入済みで環境が整っている武雄市での実施が決まった。
 プログラミング教育は中学段階での教育という方向性のなか、「小学校の早い段階から行うことが効果的」として、小学校1年生に実施することとなった。分校の生徒も含む全員の40人を対象に、来年2月末まで40分程度の授業を8回行う。
 授業は、教育プログラムを開発するDeNAの川崎修平CTOが支援し、担任と協力して授業を行う。生徒は、専用ソフトを用いてアプリケーション(ゲーム)開発を体験する。
プログラミングは、キーボードで言語を打ち込むのでなく、タブレットでビジュアル言語を使って行う。子ども向けプログラミング言語「Scratch」をベースに、小学生向けに簡易化し、教室で教えられるような専用教材を川崎CTOが開発する。
 実証研究期間中に、東洋大学による分析および授業での子どもたちの反応をもとに、ソフトの改修や変更を随時実施し、最適化を図っていく。2年目以降は、実証事業の過程をふまえて今後検討していくとしている。

武雄市(Facebookページ)

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