アサヒグループ・NRI/トランスコスモス、音声IT技術でおもてなし
16 1/1
2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向け、更なる増加が予測される海外からの訪日客(インバウンド)に対するIT関連の多言語対応サービスが続々と始まっている。アサヒグループホールディングス、アサヒ飲料と野村総合研究所(NRI)は、訪日外国人向けのおもてなし活動の一環として、最新の音声認識技術を活用した「対話型自動販売機」の実証実験を開始する。トランスコスモスは、需要の増加に対応し、コールセンターサービスを強化し、2020年までに国内外で300席規模にまで拡大する計画だ。
昨年度の流行語大賞に中国人観光客による「爆買い」が選ばれるなど、訪日客が増加の一途をたどっている。日本政府観光局によると、昨年1月から11月までの訪日観光客数は1796万人で、年間累計で過去最高を更新した。
2020年に向け更なる来訪者増加が予測されており、ITサービス分野でも新たな市場として見込まれる。
アサヒグループとNRIの実証実験は、1月6日から2月までの期間、東京・浅草の雷門近くに「対話型自動販売機」を1台設置し、利用者の行動データを蓄積・分析して、急増する訪日外国人のニーズを検証する。
最新の音声認識技術を活用し、訪日外国人に対して、英語による日常会話のような感覚で詳細な商品情報を提供することで、商品に対する理解を促す。既存の自動販売機の横に設置したタブレット端末に向かって話した音声が、クラウド上で提供される音声認識サービスによってテキストに変換され、回答が再度音声に変換されて端末に返り、自販機の前にいる人がリアルタイムで会話できる。
トランスコスモスは、英語およびフランス語・ドイツ語・イタリア語・スペイン語・ロシア語などの欧州13言語、アジア言語に対応するマルチ言語対応のサービスを行う。まずは北海道に30 席規模の「多言語コンタクトセンター」を構築し、順次サービス体制を拡大する予定だ。