CSKが事業の立て直しで資本を大幅増強

09 9/14

 CSKホールディングス(CSKHD)は、不動産証券化事業などの金融サービス事業の悪化を受け、約520億円の資本増強を行うことを明らかにした。これに伴い、不採算事業の不動産証券化事業を実施する子会社のCSKファイナンスを、金融支援を行う投資会社ACAが運営するACAプロパティーズに事業譲渡する。経営責任を取る形で福山義人社長は退任し、後任として中西毅執行役員兼CSKシステムズ社長が代表取締役社長に昇格するほか、ACAの東明浩社長が代表取締役会長に就任する。同社は今後、本筋の情報サービス事業に回帰することで建て直しを図る。

 CSKホールディングスは、独立系の情報サービス会社として大量の技術者を抱えて事業を拡大してきたが、近年ではゲームメーカーのセガやコールセンターのベルシステム21などの企業買収、さらには金融サービス分野への進出で業容拡大を図ってきた。
  最近は不動産証券化事業に注力していたが、結果として世界的な金融不況の影響をもろに受け、全体で2009年3月期に1615億円の純損失を計上、苦しい財務状況に陥っていた。
  今回の資本増強により、不採算部門のCSKファイナンスの切り離しに成功し、「不動産証券化事業にかかわるリスク」「資金リスク」「自己資本毀損リスク」からの回避を図った。
  経営陣は、現在の取締役と監査役が全員辞任し、新たに生え抜きの中西執行役員兼CSKシステムズ社長がホールディングスの社長に就任する。新任役員9名のうち、ACAインベストメンツが指名する取締役が4名、監査役2名が就任している。
  今後は、情報サービス分野への注力で業績立て直しを図る。その一環として、住商情報システムと業務提携に向けた協議を開始することを明らかにしている。
  ただし、同業務提携はACAが住友商事系のファンドという関係によるところが大きい。住商情報システムとしても「あくまでCSKが今後(立て直しのために)協業を進めていくなかでのパートナーの1社にすぎない」という立場をとっており、まだ具体的な提携の内容やタイムスケジュールは決まっていない。CSKホールディングスも、具体的な立て直し策は「これから新経営陣のもとで検討していく」(広報担当)としている。

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