新日鉄ソリューションズが開発環境をクラウドに移行

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 新日鉄ソリューションズ(NSSOL)は、クラウドコンピューティングによるシステム開発・テスト環境「NSSDCクラウド」の全社レベルでの利用を4月より開始した。同環境は、同社のクラウドコンピューティングITインフラサービス(IaaS)である「アブソンヌ」に構築し、NSSOLの標準システム開発フレームワークや管理ツールを搭載している。開発環境をサービス化することで地域の関連会社やオフショア開発でも利用でき、開発品質の向上が見込めるほか、同環境で開発したシステムをそのままクラウドサービス化することも可能となっている。

 NSSDCクラウドには、Java言語やドットネット言語によるアプリケーション開発フレームワークや、リポジトリ、ワークフロー管理、WBS(ワーク・ブレイクダウン・ストラクチャー)工程管理支援、品質保証支援、工事進行基準対応などのプロセス管理ツール群が用意されている。
 システム開発・テスト実行時に、技術者はNSSDCクラウドにアクセスし、開発環境をサービスとして使用する。あらかじめ用意された開発環境ならびに標準化された手法に基づいてシステムを開発するため、アプリケーション開発の品質や生産性が向上し、コストの削減が見込める。
 NSSOLは、2005年にはユーティリティ・コンピューティング技術によるシステム構築検証施設「グリッド・ユーティリティ検証センター」を開設し、2007年よりアブソンヌを開始するとともに「クラウドサービスビジネス推進センター」を設置するなど、以前よりクラウドコンピューティングサービスに注力してきた実績がある。
 一方でシステム開発においては、2008年にソフトウェア開発センター(NSSDC)を開設し、システム開発や管理ツール群の標準化による品質向上ならびに安定化を進めている。
 今回これらの要素を組合せて、同社が提供するクラウドサービスのアブソンヌに、NSSDCクラウドを開発した。「全社レベルで開発環境をクラウドに移行するのは大手SIとしては初」(広報部)となる。

   現在は、同環境で6プロジェクトが進行している。NSSOLは、今後実施する40プロジェクトをNSSDCクラウドの利用対象プロジェクトとして検討しており、今後もNSSOLが受託するシステム開発は、NSSDCクラウドを利用する方針となっている。

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