マイクロソフト、ノキア、NTTドコモなどがモバイル端末用の基盤を発表

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 2月15日から18日にスペイン・バルセロナで開催された世界最大級の携帯電話のイベント「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)」に併せて、高機能携帯電話の開発プラットフォームに関する発表が相次いだ。米アップル社のiPhoneが世界的にヒットし、米グーグル社が公開したアンドロイドも注目を集めているが、今回米マイクロソフト社やフィンランドのノキア社ほかが新しいプラットフォームを続々と発表した。今後の携帯電話やネットブック、そのほかの高機能インターネット接続デバイスといった携帯端末用プラットフォームの世界で、覇権争いが激化している。

 かつて携帯電話のプラットフォームの世界は、ウインドウズモバイルやシンビアン、BREWなどの有償の独自プラットフォームが主流だった。
  ところがグーグル社がLinxuベースの開発プラットフォームであるアンドロイドを無償公開し、アップル社のAppストアでiPhone向けアプリを世界中の技術者が次々と公開するようになったことで、仕様は無償かつオープンにし、そこにプレーヤーを集めてエコシステムを構築するという流れに変った。
  米インテル社とノキア社は、両社のLinuxベースの携帯機器向けプラットフォームである「Moblin(モブリン)」と「Maemo(マエモ)プロジェクト」を統合した「MeeGo(ミーゴ)」を発表した。ミーゴは、スマートフォン、ネットブック、タブレットPC、車載情報システム、クラウドTVなどを広く対象としていることが特長だ。
  ミーゴは、Linuxファウンデーション(LF)がオープンソースプロジェクトの「Meegoプロジェクト」において管理していく。LFがプロジェクトを運営し、ARMのCPUもサポートするなどオープン性を強調している。MeeGoの第一弾は今年の第2・四半期に発表する。
  一方、ノキア社がオープンソース化したシンビアン陣営は、オープンソース化後の第一弾「シンビアン・スリー」をリリースした。ミーゴには統合されず、スマートフォンの操作性や開発生産性の向上という部分を強化している。
  有償ということもあり、エンタープライズの世界とは違って苦戦が続いている米マイクロソフト社は、ウインドウズモバイルの後継「ウインドウズフォン7」を発表した。
  これまでは、ビジネスソフトとの親和性の高さが同OSの最大の特長だったが、7ではSNSや「Xbox Live」などのゲーム、音楽・動画再生機能を拡充するなど、エンターテイメント系の機能を充実させ、コンシューマーの取り込みを図る。
  一方、主要通信事業者24社は、オープン仕様で携帯電話アプリケーションを流通させることを目的とした「ホールセール・アプリケーションズ・コミュニティ(WAC)」を設立する。
  日本のNTTドコモ、ソフトバンクモバイルをはじめ、米AT&T社、中国の中国移動通信社、仏フランステレコム社など世界の大手が参加するものの、強いアプリやコンテンツを持つアップル社やマイクロソフト社、グーグル社は今のところ参加していないため、どこまで影響力を持てるかはまだ見えない。