イーソルがAndroidをリアルタイムOS化する技術を開発

10 2/22

 イーソルは、携帯電話用のオープンプラットフォーム「アンドロイド」をLinux以外のOS環境で稼働させる技術を開発する。仮想マシンでアンドロイドを動かすのではなく、アンドロイドのLinuxカーネルを他のOSに置き換えるというアプローチは、世界でも初の試みとなる。現在同社は、アンドロイドのLinuxOSを自社開発のT―エンジン(TRON)ベースの組込みOS「etカーネル」に置き換えるためのアダプターを開発しており、「6月までにベータ版を公開し、本格的なサービスを開始する予定」(長谷川勝敏専務)としている。

 イーソルは今回、アンドロイドのLinuxカーネルを、自社ブランドであるTエンジンベースのリアルタイム(RT)OS「etカーネル/POSIX」に置き換える。それとともに、etカーネルアダプター・フォー・アンドロイドを開発し、OSを補完する。
  これにより、1つのOSでTRONとPOSIX、アンドロイドのソフトウェア資産が活用できるようになるだけでなく、「OSを切り替えることによってネイティブ側の処理性能が上がり、システム層の性能も向上する」(権藤正樹ソフトウェア技術統括責任者兼技術戦略室長)というメリットも得られる。
  さらに、組込みシステムにLinuxを適用する際の課題であるリアルタイム性の問題や、オープンソースソフト(OSS)では確保できない品質保証が要求される組込みソフト製品のニーズに応えられるようになり、アンドロイドプラットフォームを携帯電話以外の組込みソフト開発に適用できるようになる。
  同様に、etカーネル以外の「ウインドウズモバイルやシンビアンといった他の組込みOSへの置き換えも可能」としている。
  同技術は、全国中小企業団体中央会の「平成21年度ものづくり中小企業製品開発等支援補助金」を受けて開発しているもので、3月末にアルファ版を公開し、4月から6月までにベータ版をリリースする予定としている。
  その後、同プラットフォームを利用した新サービス「イーソル・フォー・アンドロイド」を6月中に開始する。同サービスでは、組込み製品開発へのアンドロイド適用に向けたコンサルから開発プラットフォームの提供、組込みソフト開発までワンストップで提供する。イーソルは、同サービスに最大で100人を投入できるように、今後体制を整える予定だ。

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イーソル

全国中小企業団体中央会