富士ソフトが家庭用ロボット事業に参入

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PALROはお互いに会話もできる
パルロ写真

 富士ソフトは、2足歩行の対話型人型ロボット「PALRO(パルロ)」を発売する。

 パルロは、出荷時に基本動作機能を搭載しているが、アプリケーションやソフトを自由にロボットに追加し、機能を拡張できるのが特長となっている。ロボットの仕様はオープンで、産業技術総合研究所(産総研)が開発・公開している「RTミドルウェア」に準拠し、富士ソフトが開発環境やソフトウェアライブラリーを提供することで、ロボットアプリケーションおよびソフト開発の敷居を下げた。今後のロボット市場の立上りを視野に、ソフト開発会社の立場から新しいアプローチを行う。

 パルロは、身長が39.8センチ、重量が1.6キロで、コミュニケーションや自律移動の機能を備えた家庭用ロボットに属する。

 コンシューマー向けにはコンシェルジェ型の生活支援ロボットとして提供するが、まず、今後本格化が予測されているロボット開発市場立上がりの起爆剤として、ロボットソフトウェア教育用モデルとして提供する。  パルロの機能追加方法は、アップルのアイフォーンが、オンラインマーケットのアップストアからアプリをダウンロードし、機能を拡張していく方式に似ており、産総研が開発しているオープン仕様の基盤上に、配布されているアプリケーションを追加するか、自ら機能を作りこんでいく仕組みとなっている。

 富士ソフトがオンラインでパルロのコミュニティを運営し、アプリケーションや開発に関する情報、新しいパルロの利用方法などの情報を共有していく。

 同社には、これまで幅広いジャンルに対応してきた組込みソフト開発の経験や、産総研のロボットソフトウェアプラットフォーム開発事業にも参加している技術的な蓄積と、「ロボット相撲大会」など社会貢献的なロボット関連イベントの開催によって培ってきた教育機関や教授などとの関係もある。白石晴久社長は、「いずれ経営資源の柱の一つに」とロボット事業に期待を寄せている。

 ます3月15日から学校教育用として、29万8千円で発売する。「ロボットとしては廉価な設定」(白石社長)だが、ロボットソフト開発という新たな社会的需要の創出、同社のロボット技術および取組みに関する広告塔という意味合いも込めて、教育機関に向けて安価で提供する。

関連サイト

富士ソフト

産業技術総合研究所「RTミドルウェアOpenRTM-aistバージョン1.0プレスリリース