OESFがアンドロイドを情報家電に適用する拡張プログラムを11月に公開

09 8/24

 米グーグル社の携帯電話用OS「アンドロイド」を活用した組込みシステム開発を推進する国内団体「オープン・エンベデッド・ソフトウェア・ファウンデーション(OESF)」は、アンドロイドOSを拡張したディストリビューションプログラム「OESFエンベデッド・マスター1(EM1)」を11月に会員向けに公開する。EM1は、携帯電話にとどまらず、情報家電向けに拡張されたソフトウェア機能群を提供する。来年の2月に一般にも公開する予定で、開発環境が整うことで今後組込みソフト開発の世界で、本格的なアンドロイドの採用拡大が予測される。

 OESFは今年3月に設立した組織で、現在の参加メンバーは、メーカー子会社や組込みソフト会社、半導体ベンダーなど38社で、その中には台湾・韓国・中国の企業も含まれている。
  活動趣旨として、まずアンドロイドを共通プラットフォームとすることで年々肥大化していく組込みソフト開発を効率化することを挙げている。
  さらに、新しいテクノロジーや市場が誕生したときに発生しがちな、各社が独自にソフトやドライバーを開発してしまうという状況になる前に、共通仕様を固めることを目的とし、アンドロイドの情報家電向け拡張機能の開発やエンジニア教育など、複数のワーキンググループを組織して活動している。
  11月に公開するEM1は、アンドロイドのバージョン1・5がベースで、「IP電話」「デジタルテレビ」「マルチメディア」「DLNA」「ブルートゥース」「リモートコントロール」「ポインティングデバイス」「ネットワークマネージャー」「ユーザーインターフェース」の各拡張機能と、開発者向けのソフトウェア開発キット(SDK)で構成されている。
  ODSFが発表した今後のロードマップによると、11月18日に開催するイベント「組込み総合技術展 エンベデッド・テクノロジー2009」で、EM1の詳細を紹介するとともにデモンストレーションを実施する予定だ。
  さらに、アンドロイドのバージョン2をベースとしたディストリビューション「EM2」を来年の3月に会員向けに発表し、6月に一般に公開する予定としている。教育関連では、アンドロイドの技術者認定試験を他団体と連携して実施することも想定している。

関連サイト

Open Embedded Software Foundation (OESF)