オープンガバメントクラウド・コンソーシアムが政府クラウドへ提言

09 7/27

 政府が掲げる「霞ヶ関クラウド」や「自治体クラウド」などのクラウド環境整備構想について、民間側から提言を行う組織「オープンガバメントクラウド・コンソーシアム(OGC)の活動内容が明らかになった。OGCでは、クラウド用の共通APIである「オープンAPI」の整備、ガバナンス関連機能の整備、分散配置による仮想データセンターの実現、高度IT人材の育成の4点を主な活動内容としてあげており、できるだけ短期間で提言内容をまとめて、政府に対してアプローチしていく予定だ。7月28日には、創設記念の公開シンポジウムを予定している。

 OGCは、アクセンチュアやインターネットイニシアティブ、サン・マイクロシステムズ、NECなど、クラウドコンピューティングに係るあらゆるレイヤーのプロフェッショナル企業20社で構成された提言組織となっている。
  政府が進めているクラウド環境の整備について、e-ジャパンでの失敗を繰り返さないために、オープンな環境として構築し、世界に先んじることを目標としている。
  オープンな環境とは、e―ジャパンが特定ベンダーに依存する環境だった結果、開発効率を向上させるシステムの共通基盤化に失敗した反省に立ち、特定ベンダーにロックインされることなく、あらゆるベンダーがオープンに参入できる環境を指している。
  OGCによると、オープン環境を実現する重要な要素となるのが技術的な標準化にあり、そのために「オープンAPI」の整備が必要になる。APIは、幅広い企業が参加可能なオープンソース環境であることが重要としており、OGCは、開発および調達のガイドラインを提供する。
  また、クラウド環境のリスクをマネージし、基幹系でも活用可能にするため、ガバナンス機能を整備するよう求めるほか、利用量に応じてリソースを拡張できる分散配置による環境配慮型バーチャルセンターの実現が必要になるとしている。
  高度IT人材については、プロジェクトへの参加によるOSSなどの技術力向上に加え、地方や中小のベンチャー企業の積極的な参加を促すことによる、高度IT人材の掘り起こしにつなげたいというねらいがある。
  なお、OGCでは7月28日、都内で、創設記念シンポジウムの開催を予定している。