国立情報学研とIPAが産学連携のIT人材育成支援で連携
08 10/6
国立情報学研究所(NII)と情報処理推進機構(IPA)のIT人材育成本部は、産学連携によるIT人材の育成を支援することを目的とした協定を結んだ。文部科学省と経済産業省という別々の省庁傘下の外郭団体同士が、人材育成のために公式に協力する。具体的な活動成果物の発表時期については未定だが、NIIの高度人材育成プログラムの「トップエスイープロジェクト(TOPSE)」と、ITスキル標準の連携などにより、「カリキュラム・教材・教員の3点セットを提供する」(NII本位田真一教授)予定だ。
覚書に調印するNII坂内所長(左)とIPA IT人材育成本部松田晃一本部長 |
大学の共同利用機関であるNIIは、大学の教員向けに、TOPSEや国内外の研究機関および産学連携による世界トップレベルの先端ソフトウェア工学の研究を行う「先端ソフトウェア工学・国際研究センター(GRACEセンター)」などのIT人材育成活動を展開している。
一方のIPAは、国内IT産業界の発展を目的として、情報処理技術者試験やITスキル標準といったIT人材育成ツールを提供している。
これまで両団体は、昨年文科省と経産省が連携して創設した「産学人材育成パートナーシップ」で議論を重ねてきた経緯がある。今回、「産学連携による人材育成に関して大学分野と産業分野で責任を持って遂行する機関であることをそれぞれが自認する意味合いも込めて協定を結んだ」(NIIの坂内正夫所長)としている。
さらに坂内所長は、「これまでも産学連携の人材育成事業は個別に行われてきたが、点と点のつながりで広がりがなかった。今回は大学を代表するNIIと産業界を代表するIPAの連携という大きな面と面のつながりであることが特徴」とコメントしている。
今後は、TOPSEの卒業者がITスキル標準のどのレベルに相当するかの整合性を図るなど、それぞれが実施しているプログラムにお互いのツールやノウハウを反映させるほか、大学向けの教育プログラムの開発ならびにそのプログラムを学生に教える産業界の人材育成教育などを行う。
このほか、日本経済団体連合会(経団連)が中心になって展開している「先導的ITスペシャリスト育成推進プログラム」や、高度ICT人材育成の推進機関である「ナショナルセンター」構築構想など他の活動との整合性も図っていく考えだ。
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