JEITAとJISAが新型インフルエンザ対策に提言を発表

08 9/1

 電子情報技術産業協会(JEITA)と情報サービス産業協会(JISA)は、「情報システム産業の視点での新型インフルエンザ対策に関する提言」をとりまとめた。今後世界的な流行の可能性が指摘されている新型インフルエンザウイルスは、現時点では免疫もないうえに毒性も強いことから、蔓(まん)延すると国内だけで数百万人単位の死亡者や多大な社会的被害の発生が予測される。そこで、業界の考え方や業界単独で解決できない事項などに関して問題提起することを目的として、業界を代表する両団体が3章からなる同提言を作成し、連名で経済産業省に提出した。

 現在、鳥インフルエンザの突然変異によって発生する新型インフルエンザの感染例が少例ながらも海外で報告されており、今後の世界的な流行を危惧する声が高まっている。この状況を受けて、国内では政府や厚生労働省をはじめ関係各省庁でワクチンの備蓄計画や事業継続計画(BCP)の策定推進などの対応策が検討されている。
  その一環として厚労省の新型インフルエンザ専門家会議が「事業者・職場における新型インフルエンザ対策ガイドライン」を公表しており、「社会機能維持者」として「治安維持」「危機管理に携わるもの」「ライフラインにかかわるもの」などが定義されているが、そのなかには「社会機能としてのIT基盤を維持するもの」が含まれていない。
  そこで、まず提言の第1章で“医療従事者ならびに社会機能維持者を支援する情報システム“を維持するものとして、「情報システム産業に携わる者」を追加することという要望を示した。。
  第2章では、社会機能維持者として活動することを前提に、感染拡大防止を優先しつつ事業活動を継続するなど情報システム産業における新型インフルエンザ対策の基本的な考え方を示している。
  第3章では、政府の対応、環境整備についての要望で、具体的には社会機能維持者としての新型インフルエンザ用ワクチンの優先的接種や、感染リスクを低減させるためにリモート保守・運用の仕組みを構築するための補助金拠出や税制改革、非常事態宣言時におけるITベンダーの業務停止・縮小に伴う顧客企業に対する業務不履行などの免責などとなっている。

 

pdfファイル情報システム産業の視点での新型インフルエンザ対策に関する提言

電子情報技術産業協会(JEITA)

情報サービス産業協会(JISA)

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