SOFTICがソフトにかかわるトラブルの和解(ADR)を支援

08 8/3・11

 ソフトウェア情報センター(SOFTIC)は、「ソフトウェア紛争解決センター」を設置し、企業間のソフトウェアにかかわる紛争の仲裁および和解あっせん事業を開始した。昨年4月に「裁判外紛争手続(ADR)の利用の促進に関する法律」が施行され、同法に基づき法務大臣より紛争解決事業者として同センターがソフトウェアを専門に扱うADR機関として認証された。ADRは、法的トラブルが生じた際に裁判を行わずに迅速かつ費用をかけずに紛争を解決できることから、潜在的にトラブルが多い情報システム関連の問題解決手段として、今後の有効な運用に期待がかかる。

 ADRは、法的トラブルが生じた際に裁判を行わずに問題を解決する手段で、法務大臣に認定された第三者機関が紛争の和解あっせんや仲裁を行うことで、厳格な手続きを経る裁判よりも迅速に紛争を解決できる。
  内容は非公開のため、当事者のプライバシーや営業上の秘密は守られ、手続の状況や内容を公開せずに問題解決を図れるほか、当該分野に精通した専門家が参加するために当事者間で納得感の高い解決が期待できるなどのメリットがある。
  特に情報システムやソフトウェア関連では、技術的専門性が強いために裁判官への説明などに手間取り、企業の情報システム構築関係のトラブルを裁判で争うと通常5年程度を費やすが、ADRを利用すると3カ月から6カ月で当事者間合意に達することができる。
  想定している取り扱い案件は、ユーザー、ベンダー間における情報システム開発成果物の機能的不具合や納期遅延による費用負担、保証範囲と保守に関する紛争、ベンダー間のソフトのライセンスおよび著作権、特許などの知的財産権侵害などとなる。
  SOFTICは、その際に仲裁および和解あっせんを支援する。仲裁による判断は、裁判所の確定判決と同一の効果を持ち、あっせんは自主的な合意で、民法上の和解契約の効力にとどまる。
  申立人は、SOFTICが用意する実務経験が10年以上の弁護士、弁理士やソフトウェア技術関係者などで構成される候補者名簿から仲裁人およびあっせん人を選ぶ。相手が応じれば、話し合いで和解による解決を目指すほか、当事者双方で合意が得られれば仲裁手続きに移行する。
  ただしこれまでADRの活用例が少なく、現状では紛争相手の理解を得にくいなどの問題があるが、法務分野に弱い中小ソフト会社のトラブル解決支援機関としての活用が見込めると考えられる。

 

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 法務省「裁判外紛争解決手続の認証制度(かいけつサポート)」のページ 

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