JISAが今年度の事業計画を公表

08 6/9

  情報サービス産業協会(JISA)は、情報システムの信頼性向上や取引構造の適正化などの重点活動方針を含む今年度事業計画を公表した。基本的には「前年度事業を継続する」(浜口友一会長)としているが、具体的な成果を重視した活動を展開する考えを示している。また、部会による重点活動の推進体制を強化すると同時に、協会事務局が主体となって実施する事業を明確に分離した。団体として果たすべき活動項目を施策と支援活動に明らかにすることで、施策の実現を推進し「魅力ある産業の創出」を目指していくことになる。

 JISAが捉えるITサービス産業の課題として「人材育成」「ソフトウェアエンジニアリングの推進」「取引慣行の見直し」「グローバル化」の4項目をあげている。
  今年度の事業計画として、まず2007年度の事業を継続することと、重点課題についてその具体的な成果をまとめることとした。今年度にその成果を達成すべきとしたのが「情報システム構築・保守・運用サービスに関する信頼性の向上」と、「透明かつ公正な情報サービス市場の確立および取引構造の適正化」で、昨年度からの懸念事項として解決に取り組む。
  これら2点については「重点活動項目」と捉えて推進していく。まず「情報システム信頼性向上委員会」が、経済産業省が公表した情報システムの信頼性向上に関するガイドラインを踏まえ、JISA内で分類・整理した定量的管理指標の事例とを対応付けて信頼性の見える化を図った。その内容は「定量的管理指標の事例集」として7月上旬にも公開する予定となっている。
  成果目標として業界での信頼性評価指数の導入促進や、信頼性向上に関する意識改革と取組みの活発化、経産省の信頼性向上施策に対する協力体制の整備を行う。
  一方、取引慣行の適正化では取引構造改革委員会が、多重下請構造に係る諸問題への対応や派遣と請負の明確化、品質とリスク要因を考慮した価格モデルの構築、工程別に責任分担を明らかにした「JISAモデル契約」の改定と普及を行う。
  成果目標はITサービス産業における取引適正化に向けた提言や多重下請構造にかかる諸問題に向けた提言を行うとともに、受注ソフトウェア開発における新たな価格設定モデルの提示などを想定している。
  ほかにも重要課題が多いことから、今年度以降も継続的に取り組む項目を明確にし「魅力ある産業」の創出を目指す。

 

情報サービス産業協会 http://www.jisa.or.jp/