日立がデータセンターの消費電力を50%削減へ
07 10/8
日立製作所は、地球温暖化など地球環境問題に対して新たな省エネの取組み「クールセンター50」を開始した。これまで取り組んできたデータセンター省力化プロジェクトをさらに促進するための専任組織を情報・通信グループのアウトソーシング事業部内に設置したもので、「今後5年間でデータセンターの消費電力を最大50%削減する」ことを目標に掲げた。IT化が国際競争力強化やビジネス拡大に欠かせない昨今、サーバーなどコンピューター関連機器の増加は環境問題に影響を与えるまでになっている。これに対して日立グループ全体での取り組みを強化したもの。
IT化の進展で、企業や団体などに導入されるコンピューターシステムは増加の一途を辿っている。それに伴い、コンピュータールームやデータセンターにおける機器の排出する総熱量も増え、これを冷やす空調などのエネルギー使用量が増大している。
日立は、データセンターの省エネ対策に注目し、増設されるサーバーやストレージ装置、ネットワーク機器に加え、空調設備や電源装置といったファシリティなどセンター全体で省エネ対策に取り組むことにした。
特にデータセンターでは需要が拡大していることから1ラックに搭載するサーバーの台数が、ブレード型などの導入で確実に増加しており、センターの冷却、省エネに頭を悩ます状況にある。
日立が取り組むのは、データセンター省力化のステップを「診断」「改善」「最適化」「運用管理」「建設」の5段階に体系化し、それぞれで技術開発と事業化を実施していくもの。
具体的には、データセンターやコンピュータールームの電気効率をIT機器や電源設備、空調システムを含めて総合的に診断する。また、機器や装置、配線を見直して空調効率を改善するほか、空調制御の自動化や自然エネルギーの利用、ビル管理システムの採用、省電力データセンターの建設プランなどを実施していく。
これを推進するのに必要となるサーバーやミドルウェア、ストレージ、スイッチ、UPSなどの技術開発を行うと共に、「消費電力の50%削減を実現する新データセンターを建設する予定」としている。同社ではすでに、一部技術を既存のデータセンターに適用しており、効果の検証が進められている。
日立製作所 http://www.hitachi.co.jp/