富士通がクラウドサービスを体系化
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富士通は、同社が提供するクラウド製品・サービス群をまとめ、新たなサービスも加えて「FUJITSU Cloud Initiative(フジツウ・クラウド・イニシアチブ)」として体系化した。SaaS約100種、PaaS10種、IaaS5種のラインアップと、他社製品やサービスとの連携、開発、セキュリティ、運用監視も含めたクラウドインテクレーションサービスを組み合せて提供する。さらにユーザーのクラウド導入を支援する専門要員として、社内から選抜したクラウドスペシャリスト100人、クラウドインテグレーター2千人の人員を確保した。
今回富士通がクラウドサービスを体系化した根拠として、川妻庸男執行役員常務は、「クラウドファーストというユーザーからの要望が増えた」ことを掲げた。実績ベースで見ても、富士通の2012年度におけるクラウドビジネスの事業規模は2010年度の3倍に増加している。
ただしニーズが広がる一方で、ユーザーがクラウドを導入するにあたって、自社のシステムに採用するものとして、多様化したクラウドサービスのなかからどれを選ぶべきか、高度化が要求されるセキュリティ対策はどうすべきかといった問題がある。そこでこれらの問題を解決し、マルチベンダーのクラウドサービスの選定から構築、運用までを一括で支援するサービスを開始した。
クラウドイニシアチブの開始に併せて、新たに10種類のサービスを発表した。
IaaS領域では、個人情報の問題から利用が難しかった行政機関や医療機関などでも利用できるように、パブリッククラウドサービス環境に、ユーザーの専用環境を構築するサービスを提供する。
PaaSでは、仏ランマイプロセス社の買収によってクラウドサービスやプライベートクラウドを連携させる技術を獲得し、クラウドシステム開発を最大5分の1に短縮化するサービスを提供するほか、SaaS開始やモバイル活用にあたって必要な機能などを提供する。
さらに、ユーザーがどのクラウドサービスを使うべきかのアドバイスを行う「クラウドスペシャリスト」100名を核に、2千人のSEからなるクラウドインテグレーターが導入を支援する新サービスとして、「クラウドインテグレーションサービス」を提供する。
今後、富士通で開発するクラウド関連製品は、すべてクラウドイニシアチブに沿って開発される。