TsolとTsisが東芝のクラウド環境をDC間で移行

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 東芝ソリューション(Tsol)は、東芝グループに提供しているプライベートクラウド基盤で稼働する基幹システムをデータセンター間で移行した。東芝グループでは、国内外750社を擁しており、約21万人の社員がプライベートクラウドシステムを利用している。今回、東芝インフォメーションシステムズ(Tsis)と共同で、EMCジャパンのソフトを使うなどにより、ダウンタイム15時間でサーバー移設を行った。Tsolは今後、今回の経験をもとに大容量データ移行サービスを提供していく。

 

 東芝は、2010年10月から国内向けのシステムをプライベートクラウドへと移行しており、TsolとTsisがクラウドシステムの開発および保守・運用を担当している。
 ただし、一昨年の東日本大震災をきっかけに、東芝グループではBCP(事業継続計画)対策の見直しを実施したところ、一部のデータセンターで自家発電装置を保有していないことなどが発覚した。
 そこで今回、東京と大阪の両地区において、安全なデータセンター施設への基幹システムならびにデータの移行を実施することとなった。移行の対象となったのは、33台のサーバーと165システムで、移行データは約36テラバイトにのぼった。サーバーは2種類で、OSは3バージョン存在し、大規模なストレージが2機種という構成だった。
 事前に詳細な移行計画を策定し、計画に基づいて移行先環境の構築や検証作業などを実施した。さらに、EMCジャパンのリモート・レプリケーションソフト「EMCリカバーポイント」を活用し、重複排除機能を活用することでデータ移行にかかる時間を短縮させた。
 これにより、作業着手から1ヵ月半、システム停止時間はサーバー移設に費やした15時間のみで、新旧データセンター間でのプライベートクラウド基幹システムならびに大容量データの移行を成功させた。
 Tsolは、今回の実績をふまえて同社のクラウドインテグレーションサービスに、「データ移行サービス」を商品としてラインアップする。EMC製品を活用したデータセンター間の大量データの短期間での移設、同社のデータセンターを利用したディザスター・リカバリー(DR)環境の構築などのサービスを提供するとしている。

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