CTCがスパコンを使ったクラウドサービスを開始
12 10/8
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、スーパーコンピューター(スパコン)を使った科学計算ソフトのクラウドサービスを開始した。第一弾として、自動車や電力、プラントの設計などで利用実績がある同社の汎用熱流体解析ソフト「FINAS/CFD」の提供を開始しており、さらに同ソフトと連携する大規模非線形構造解析ソフトや電磁波解析ソフト、超音波解析ソフトを10月中に順次リリースしていく。CTCは、附随するシステム構築などのサービスを含めて、3年後に年間3億円規模のビジネス展開を目指すとしている。
これまでCTCは、耐震解析をはじめ、科学・工学計算系アプリケーションソフトの開発およびシステム構築、保守サービスの実績があり、その流れで同社の自社開発ソフトによる科学・工学計算系クラウドサービスとして「エンジニアリング・クラウデージ」を提供している。
流体解析をはじめとする科学・工学計算系のソフトは、膨大なデータのトランザクションが発生するため、ソフトの利用には高スペックのコンピューティングリソースが必要となる。
エンジニアリング・クラウデージでは、日本IBMのx86サーバーでハードウェア環境を構築しているが、今回同クラウドサービスの新メニューとして、計算科学振興財団(FOCUS)のFOCUSスパコンシステムを使った科学・工学系ソフトをクラウド提供するサービスを開始した。
サービスには、スパコンの1時間単位の従量課金と、ソフトの月額利用料金がかかる。価格はスパコンが1時間12コアで105円、ソフトが月額52万5千円となっている。
FOCUSスパコンシステムは、スパコンの利用促進のために国の補助金で整備された産業界専用のスパコンで、昨年TOP500リストのLINPACKベンチマークで世界最速を記録した、国産スパコン「京」のCPUと同系列のSPARK64アーキテクチャーを採用し、ストレージシステムは1ペタバイトのハードディスク保存領域を持つ。
今後も、エンジニア・クラウデージにおけるスパコンに対応したソフトのラインアップを拡充するほか、受託解析サービスも実施していく。