SAPジャパン/日立/ESRIジャパンがビッグデータ利活用基盤
15 11/16
SAPジャパンと日立製作所、ESRIジャパンは、3社の製品を連携させ、社会インフラに関する将来予測を可能にするビッグデータ利活用システム基盤を開発し、実用化に向けた検証を実施した。同システム基盤により、社会インフラに関するさまざまなIoTデバイスから収集される膨大なリアルタイムデータと過去のデータをもとに、特定区域の混雑状況の予測など、さまざまな将来予測を迅速に行い、地図画面上で瞬時に可視化できるようになる。今後3社は、同システム基盤の実用化に向けた取組みを推進するとしている。
今回3社は、SAPジャパンの高速インメモリデータベース(DB)「SAP HANA」と、日立の高速データベースエンジン「ヒタチ・アドバンスト・データ・バインダー(HADB)」、ESRIジャパンの地理情報システム(GIS)ソフト「ArcGIS」を連携するプロジェクトを行った。
同プロジェクトでは、HANAを用いてHADBに蓄積した膨大なデータを高速に処理するための連携ソフト「連携アダプタ」を開発し、HANAのデータ仮想化技術「スマート・データ・アクセス」機能と組み合わせることで、3製品がスムーズに相互連携するシステム基盤を構築した。
また今回、HANAに格納した現在の状況に関するデータとHADBに蓄積した履歴データを活用した将来予測を行った。東京大学が提供した約130万人分の移動履歴と交通手段に関するデータを活用し、タクシーの最適配車シミュレーションを行い、現在の状況と将来予測の結果をArcGISの地図画面上で瞬時に表示できることを検証した。
同システム基盤により、現在の混雑箇所の特定と過去の移動パターンを組み合わせて分析すれば、将来の混雑箇所や移動先候補を予測でき、タクシーなどの効率的な運用を図れるようになる。
また、配送物の集積や配送の状況に関するデータを分析することで、荷物の配送状況をリアルタイムに把握でき、過去の配送パターンを踏まえ、季節や時間ごとの特徴に応じた最適な集荷・配送ルートを利用できる。ほかにも、稼働停止が許されない電力や水道といったインフラ設備の安定稼働と保守作業の効率化にも活用できる。