CAC/凸版印刷、感情認識AIで事業展開

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 シーエーシーと凸版印刷は「感情AI」領域で協業し、同技術を活用した事業を4月から開始する。感情AIは、人間の感情を推定・認識する人工知能(AI)であり、膨大な人間の表情データをもとに、その表情がどのような感情を示しているのかを機械学習によって分析してデータベース化し、そのデータベースと照合することで人間の表情から正確な感情を割り出す技術。米アフェクティバ社の感情AIソフトを活用して、プロモーションやイベント分野でビジネスを展開する。

 複数のデモアプリを開発

 アフェクティバ社は、米MIT(マサチューセッツ工科大学)から誕生したベンチャー企業。同社が提供する感情認識ソフト「Affdex」は、世界75カ国で400万人以上の表情を分析し、収集した500億件の感情データポイントのビッグデータを判断基盤としている。
  これにより、顔の筋肉の僅かな動きをキャッチして、偏りのない消費者の反応をキャプチャーしてリアルタイムで計測、瞬間的に生じる自然な感情を高精度で分類できる。判断できる感情は、怒り、悲しみ、憎しみ、喜び、驚き、恐怖、軽蔑の7種類となる。感情の種類のほか、程度も測れる。
  CACは、新規事業の一環として昨年7月に、アフェクティバ社と日本企業として初の代理店契約を結び、アフェクティバ社のサービスとソフトの販売、サポートシステム構築などを実施している。
  また、これまでに凸版印刷とCACは、カメラで表情を測定することで「感情に合わせた映像を出す」「クーポンを発券する」「商品をお勧めする」など、プロモーションでの活用を想定した体験用デモアプリケーションを開発している。
  今後両社は、感情AIを組み込んだイベント演出やプロモーション、店頭什器開発などの用途開発、運用などのビジネス展開を予定している。そのほかにも、教育やヘルスケア分野での活用も検討していく。

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