三菱電機、ディープラーニング自動化
16 10/17
三菱電機は、ディープラーニングを自動設計する「ディープラーニングの自動設計アルゴリズム」を開発した。ディープラーニングに関する専門知識がなくても人工知能(AI)を短期間・低コストで導入でき、機器の使用環境に合わせたさまざまな推論処理や機器制御を可能とする。同アルゴリズムにより、これまでAIの専門家を介して数日から数週間要していた作業が、現場担当者のコンピューターによる計算で、数分から数時間で行えるようになる。三菱電機によると、専門家なしでディープラーニングを導入できるというアプローチは、今回が世界初としている。
ディープラーニングは、データの特徴を学習して推論処理を行う機械学習の手法となる。従来、製造業で機器にディープラーニングを実装するためには、機器の使用環境に合わせた設計が必要であり、現在はAIやディープラーニングの専門家が現場の声をくみ取りつつ、試行錯誤しながら設計を進めている。
一方、専門知識のない一般のユーザーがディープラーニングの設計を行うことは、設定項目が多すぎるため、ほぼ不可能とされている。
これに対し、今回三菱電機が開発したディープラーニングの自動設計アルゴリズムを活用すると、専門家によるディープラーニングの設計作業を介す必要がなくなる。学習データがあれば、その中から最も特徴的なデータを重複なしで抽出しながらディープラーニングのネットワーク構造や初期パラメーターなどを自動設計し、工場などの機器の使用環境などに合わせた高度な推論処理が実行できるようになる。
現場の専門家が自らの知識をもとに、ディープラーニングをコンピューターによって自動設計するため、現実に即したシステムを短期間かつ低コストで構築できる。運用にかかるコストも抑えられる。
現時点で三菱電機は、同アルゴリズムを実装したAIなどを外販する予定はなく、あくまで同技術を自社の製品群の機能改善に適用し、製品の付加価値向上を図るとしている。