日立製作所、AIで社員の幸福感向上
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日立製作所は、人工知能(AI)技術を活用し、働く人の幸福感の向上に有効なアドバイスを各個人の行動から自動的に作成する技術を開発し、日立グループの営業部門約600人を対象に実証実験を開始した。個人の大量の行動データを名札型ウェアラブルセンサーから取得し、同社のAI「ヒタチAIテクノロジー/H」で分析し、幸福感に繋がるような職場でのコミュニケーションや時間の使い方についてアドバイスを行う。今後日立は企業や組織に同技術を提供し、働く人の幸福感の向上と、それに伴う組織の活性化を支援するとしている。
日立はこれまでに、名札型ウェアラブルセンサーで取得した行動データ(身体運動の特徴パターン)から、組織の生産性に強く相関する組織活性度および幸福感(ハピネス度)を計測する技術を開発している。
さらにHを活用して、企業の経営課題解決を支援するサービスを実施し、すでに幸福感の向上というテーマで三菱東京UFJ銀行や日本航空など、13社で実証実験またはシステム導入を行い、コールセンターではハピネス度が高い人が34%受注率が高いという結果も得られている。
今回日立は、名札型ウェアラブルセンサーから収集した行動データを時間帯・会話相手などの項目で細分化し、Hに入力することで、各個人にカスタマイズされた幸福感向上に有効なアドバイスを日々自動的に作成して配信する技術を開発した。
社員は首に名刺型ウェアラブルセンサーをかけて仕事をするなかで、スマートフォンやタブレットに「Aさんとの5分以下の短い会話を増やしましょう」「上司のBさんに会うには午前中がおすすめです」などのアドバイスが送られてくる。その内容を実行することで、個人の幸福感が向上し、組織の活性化および生産性向上につながるとしている
早ければ今年度中にサービスを開始する。サービス価格は、導入後の生産性向上具合に比例したレベニューシェア型モデルの採用を想定している。