IT企業のAIビジネス進出が加速
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機構改革の時期である10月を境に、大手ITメーカー・SI会社による人工知能(AI)を活用したビジネスやサービスへの本格進出が目立つ。先だって日立製作所が人工知能技術で企業の経営課題解決を支援するサービスを発表したのに続き、11月より富士通とNECがAIビジネスを開始した。ITベンダーも、IBMが掲げるAIを活用したコグニティブコンピューティングでは、「Watson」のパートナープログラムに多くのITベンダーが名乗りを上げている。またNTTデータが10月に、TISも11月に専任組織を立ち上げている。
AIはこれまでも広い領域で活用され、研究も行われてきたが、普及しつつあるIoTやビッグデータなどと密接にかかわってくることもあり、ここにきて事業を視野に入れた動きが加速している。
富士通は、「AI活用
コンサルティング部」を11月1日付けで設置、AIを活用した業務変革やイノベーションの創出を専任のコンサルタントが支援するAI活用コンサルサービスを開始した。同サービスでは、富士通のAIに関する知見や技術を体系化した「ヒューマン・セントリック・AIジンライ」をもとに、最適なAI活用シナリオを顧客に立案する。
NECは、予測に基づいた最適な判断や計画をソフトウェアが行う「予測型意思決定最適化技術」を開発した。
同技術は、従来人が行っていた戦略や計画の立案といった高度な判断をソフトで行う。予測の典型的な外れ方のパターンを独自アルゴリズムで分析、その結果を最適化問題を解くための技術の数理最適化技術と融合することで外れ方を勘案した上で最適化を行え、予測が外れても損失が発生するリスクが低く、安定して高い効果が出る計画を算出できる。
NTTデータは、10月1日付で「AIソリ
ューション推進室」を 新設した。AIソリュ
ーション推進室では、同社の研究所が保有するAI技術の活用を通じて、各事業部と連携した人工知能応用ソリューションの企画・開発や、同社の人工知能に関する先進取組みの情報発信を行う。
またTISも、人工知能(AI)関連ビジネスのための専任組織「AI技術推進室」を新設した。AI技術推進室では、「機械学習」「自然言語処理」といったAI技術の検証・開発、関連技術を用いたサービス開発などを行う。具体的には、各企業の活用しきれていないコールセンターでの会話ログなど自然言語による文書をAIを用いて自動的に分類・分析し、顧客向けサービスや社内プロセスの改善につなげる。