国内メーカー5社、第1四半期決算を発表
06 8/7 国産コンピューター・メーカー5社の今年度第1・四半期決算が出そろった。東芝、NEC、三菱電機の3社は増収増益となったが、日立製作所と富士通は増収減益だった。富士通は減益とはいっても、04年度の赤字から昨年度に黒字に転換、それを維持しての減収であり黒字基調は変わらない。IT関連事業では、サービスSIやアウトソーシングが順調に推移したが、パソコンなどハードの価格下落はいまだに影響を与えているようだ。今年度の通期予想は5月発表の06年3月期決算時と同様としている。
日立製作所
連結売上高は前年同期比9.7%増の2兆2470億円、営業利益は情報通信部門、電子デバイス部門などの事業拡大、原価低減の推進などにより前年同期から158億円増の171億円となった。当期純利益は20億円改善し、220億円の赤字となった。
IT関連の「情報通信システム」は、ソフトが堅調に推移したほか、アウトソーシング事業を中心に好調に推移し、売上高は10.8%増の5019億円、営業利益は前年度比166億円改善して65億円まで損失を縮小している。
東 芝
連結売上高は前年同期比11.9%増の1兆4528億円、営業利益は227億円改善して208億円となった。当期純損益も129億円改善し、40億円と四半期決算を公表して以来、第1・四半期として初めて黒字を計上した
IT関連の「デジタルプロダクツ部門」は、パソコンやデジタルメディア事業の売上げ増により増収となった。損益面では、パソコン事業は低調だったものの、携帯電話やストレージデバイスが好調で増益となった。
N E C
連結売上高は2.6%増の1兆184億円、営業損益は246億円改善し147億円、当期純損益は、売上高の増加や原価率の改善などにより前年同期に比べ168億円改善し、115億円の黒字となった。
IT関連の「IT/NWソリューション事業」の売上高は、ネットワークシステムや社会インフラ分野が好調に推移し、7・5%増の5569億円、営業利益も200億円増加し276億円となった。一方、モバイル/パーソナルソリューション事業の売上高は、パソコン市場が伸び悩んだことから、全体で15.1%減の2383億円となった。
富 士 通
連結売上高は7.5%増の1兆1029億円、営業利益は1.6%減の146億円、当期純利益は73.4%減の7億円と増収減益となった。
IT関連では、「テクノロジーソリューション」の売上高はシステムプロダクトやネットワークプロダクツに加え、アウトソーシングが好調で、金融や製造・流通分野を中心に増収となった。ユビキタスプロダクトソリューションは4.6%増収、デバイスソリューションは13.0%の増収だった。
三菱電機
連結売上高は11.3%増の8215億円、営業利益は94%増の406億円、当期純利益は123%増の249億円の増収増益を達成した。
IT関連の「情報通信システム」は、オフィスサーバーが減少したものの、ITインフラサービス事業が伸びたことで部門全体の売上高は13.0%増、営業利益は112億円改善して黒字化を達成した。