富士通がグループ内の事業再編を加速

09 6/1

  富士通は、グループ経営強化の一環として、東証一部上場の子会社である富士通ビジネスシステム(FJB)の株式を100%取得し、完全子会社化する。今回の買収は中堅市場向けの事業体制強化がねらいで、今後FJBにパッケージをはじめとして富士通の中堅市場向けのリソースを集約する。また、「FJBはミニ富士通のような存在で、これまで同じ案件でバッティングすることもあった」(富士通広西光一取締役副社長)こともあり、今後も関東・関西・九州の3ブロックで、他の国内に17社あるSE子会社の再編を進め、各社の役割分担を明確化する方針だ。

 FJBは7月28日に上場を廃止し、8月1日から富士通の完全子会社となる。今後はグループ内の中堅市場向け営業機能をFJBに集約し、グループ内の中堅市場向け中核会社となる。
  現在は富士通やグループ会社が開発した中堅向け製品及びサービスをFJBおよび外部パートナーが販売するという形だったが、今後は企画・商品化機能をFJBに集約する。その第一弾として、現在富士通ブランドとして販売している中堅・中小企業向けERPパッケージの「グロービア・スマート」ブランドをFJBに移管する。
  このほかにも、来年度に国内で20万台の販売目標を掲げるIAサーバーを中心としたプラットフォーム、サービス一体型商品の開発などを行う。これにより、昨年度グループ全体で3500億円の中堅企業向けの売上を、2013年度に5千億円へと拡大させる。
  今回の再編以前には、4月に九州のSE子会社3社を富士通九州システムズに統合している。今後も富士通はグループ再編を進め、グループ内で各社の役割分担を明確化する考えだ。
  富士通本体は大手市場に集中し、重複が見られる子会社のリソースを再編するほか、子会社間で間接部門の共有化ならびにプロジェクト管理方法の共通化なども進め、グループ内での効率化を図る。
  すでに富士通は、今後のグループ経営強化および再編を見据えた複数の子会社の社長交代人事を発表している。「現在、富士通社内で各ブロックのトップが集まって再編の協議を進めている」(広西副社長)段階で、今後も必要に応じて今回と同様に子会社の100%子会社化も視野に、人員や製品の転籍・移管を実施する予定だ。

 

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