みずほ情報総研と千葉大が手話を日本語に自動変換するシステム開発へ

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 みずほ情報総研と千葉大学の黒岩・堀内研究室は、モーションセンサーデバイスを活用し、手話を日本語へ自動変換する「手話認識システム」の共同開発を開始した。みずほ情報総研が手話認識システムのアプリケーション開発全般を行い、千葉大学が手話認識のための技術指導ならびに手話で使う単語ごとの特徴データの整備を担当する。手話をリアルタイムでテキスト化することで、聴覚障害者と健聴者との円滑なコミュニケーションを支援する。今年10月までにプロトタイプを開発し、2014年の実用化を目指す。

 

 厚生労働省の調査によると、2011年時点で聴覚・言語障害を持つ人は、日本全国に約32万4千人存在している。そこでみずほ情報総研と千葉大学は、4月から手話認識技術に関して共同研究を開始し、手話認識システムの実用化について検討してきた。
 千葉大学が研究してきた手話認識技術と、日本マイクロソフトの「Kinect(キネクト)」をはじめとする市販のモーションセンサーの高精度化・低価格化という状況を考慮して開発が可能と判断できたため、開発に着手した。
 モーションセンサーとは、空間内に存在する対象の位置や動きを計測する機器で、手話認識システムは、そのモーションセンサーを用いて、まず手話をしている人の手首や肘の動きを読み取って特徴を抽出する。
 次に、事前に辞書登録しておいた単語ごとの特徴データと参照して、手話の意味をリアルタイムで連携するディスプレー上に日本語で表示する仕組みとなる。これにより、何も触れずに、手話ができない人と対話ができる。
  同システムの開発により両者は、聴覚・言語障害を持つ人の公共機関や金融機関などの対面コミュニケーションが求められる場所における円滑な意思疎通の促進を支援し、バリアフリーな社会を推進するとしている。

 

みずほ情報総研

千葉大学