エイ・オー・テクノロジーズが情報検出の新技術を開発

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  エイ・オー・テクノロジーズ(AOT)は、通常の検索処理をせずに情報を検知する新技術「SLID(スリッド=サーチレス・インフォメーション・デテクター)」を開発し、専用デバイスとして半導体チップへの実装を実現する研究を、電気通信大学と共同で開始した。従来の検索技術は、CPUでアドレスごとに情報処理(検索)を行い目的の情報を求めるが、新技術は、検索をせずに知識情報を記憶した認識パターン=アルゴリズムにより目的の情報を検出する。「まったく新しい発想による情報検出モデル」(井上克己社長)の誕生で、日本発の新技術に期待がかかる。

 大量の情報の中から目的とする情報を見つけ出すには、従来は情報の検索と情報の検出という2つの処理が必要で、特に検索ではメモリー上のデータをCPUでアドレスごとに処理するため情報処理に大きな負担がかかっている。
  SLIDは、CPUの負担となる情報検索を使わないという発想から開発されており、パターン認識や、ニューロコンピューターなど「メモリーベース・アーキテクチャー」を参考にすることで、検索をせずに目的の情報を検出できるようにした。
  例えば、黒色と赤色を使ったしま模様があり、黒色から上に1マス、左に1マスのところに赤色があるとする。この位置情報と色情報の2つの比較データをもとに、しま模様と同じ情報を特定していく。
  まずメモリー全体に「カウンター付きのマスク」をかけ、黒色のある座標にカウンターを付け“穴”を空ける。次に、赤色の位置情報からその分だけマスクをずらし、赤色の位置情報のところが赤であれば同様にカウンターを付けて穴を空ける。ここでしま模様が一致すれば情報を検出したことになる。
  理論上は、「200万画素の情報から1―10マイクロ秒で検出できるはず」と予測している。この技術は今後、パソコンなど情報端末や画像・映像機器、音声機器、各種センサー、データベース検出装置、知識ロボットなどへの応用が可能であり、「通常のCPUとメモリー、そして検出用のSLIDという新たな情報処理体系が実現する」としている。
  同社では、今後の開発継続のため、半導体各社や検索関連ソフトなどを開発しているIT企業などのスポンサーを募っており、来年3月のプロトタイプ開発、来年一杯での商品化を目指す。