NECがオンメモリーを活用した大規模・高速トランザクション技術を開発
07 10/1
NECは、オンメモリーを活用した大規模・高速のトランザクション処理を実現するアーキテクチャー「パラレル・ストリーム・アーキテクチャ(PSA)」を確立し、新たにミドルウェア2製品を発売した。現行の基幹システムのトラフィック処理スピードは、データ量やアプリケーションなどの急増に対して十分なレスポンスを提供しにくくなっている。そこで大量トランザクションを毎秒数万件という超高速処理が可能なメモリー駆動型のトランザクションアーキテクチャーを開発したもので、今後のNGNなどへの応用など導入の広がりに期待がかかる。
新たに開発したPSAは、従来の基幹業務システムが持つトランザクション処理の10倍を超える性能を持つ。現在、NTTドコモの料金システムに採用されており、トランザクション処理性能が毎秒5万件という高速処理を行っている。
これはPSAに基づくミドルウェア2製品で実現している。1つは大量なトランザクションデータをメモリー上で分類して一括処理する「WebOTXパラレル・ストリーム・モニター」で、複数データを一定単位でまとめてスケジュール化して処理する。このため1データ当りのトランザクション処理を低減し、業務システムのスループットを向上させる。
もう1つは、大量データをメモリーテーブルとして保持してアクセスする「インフォフレーム・テーブル・アクセス・メソッド(ITAM)」というオンメモリーデータベースを中心としたミドルウェアとなっている。リソースの競合を排除して、対称型マルチプロセッサー(SMP)システムでも高速並列動作を可能にしており、CPUの増設でもリニアな性能向上が可能になる。
現行の基幹業務システムは、Webアプリケーションの急増や機構改革によるシステム再編などによって複雑かつ負荷の高いものになっている。また、NGNによるユビキタスネット社会の創出で、さらに大量のトランザクションが発生すると予測されている。
こうした状況に対して、メモリー環境を有効に用いた新技術を開発し、基幹システムの信頼性と可用性、拡張性、運用性の向上につなげるとしている。
製品は10月30日に出荷を開始、価格はWebOTXパラレル・ストリーム・モニターおよびITAMとも基本ライセンスが273万円などとなっている。