総務省がネットの有害情報対応でガイドライン

06 9/4

 総務省は、インターネットを流れる違法・有害情報をプロバイダーなどが自主的に対策を講じるとともに、これを効果的に支援する制度と方策について昨年8月から検討してきたが、このほど最終報告書を公表した。「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する研究会報告書」がそれで、プロバイダーや掲示板の管理者などによる自主的対応に関する法的責任や、違法・有害情報への対応に関する提言、発信者情報開示、受信者側の対応などについてまとめた。これにより、表現の自由を最大限配慮してインターネットの利便性を享受できる環境整備を支援していく。

 同研究会では昨年8月から、違法な情報、有害な情報に関してプロバイダーや電子掲示板管理者などが自主的に対策を講じるに当っての方策、違法な情報を放置した場合の刑事責任、プロバイダー責任制限法での発信者情報開示の運用、インターネットの匿名性、海外からの情報発信について検討してきた。
 今回、これらの課題事項をもとに、ガイドラインとなる検討案を6月に策定し、パブリックコメントを踏まえて最終報告書として取りまとめたもの。違法・有害情報については、プロバイダーやサイト管理者による自主的対応に限界があることから次の提言を行った。
 違法情報に関しては、まず違法な情報の例示および判断基準を提示するとともに、警察などが専門的知見を有する機関からの送信防止依頼に対して、掲示板の管理者などが対応手順を参考にできる違法情報への対応ガイドラインを策定、支援することが必要とした。
 また、有害情報に対しては、公共の安全や秩序に対する危険を生じさせる事例、公序良俗に反する事例、さらに諸外国のインターネットの情報流通に対する法制度を参考にして、テレコムサービス協会が策定しているガイドラインなどに有害情報を例示列挙する方法などを示した。
 中でも青少年への影響が多大であることから、フィルタリングサービスやソフトの利活用を、保護者や教職員などに対して普及徹底させるとともに、携帯電話やパソコンなど媒体を問わず一定レベルのサービスが提供できる取り組みの必要性をうたっている。行政の支援のもと、電気通信事業者や利用者が自主的に対応できる環境を整備することでインターネットの利便性を高める考えだ。

総務省 インターネット上の違法・有害情報への対応に関する研究会最終報告書
http://www.soumu.go.jp/s-news/2006/060825_6.html