総務省が電子申請などの利用促進に指針

06 7/10

 総務省は、電子自治体の実現と住民サービスの向上を図るために「電子自治体オンライン利用促進指針(案)」を策定した。自治体の申請・届出などの手続きの幅を広げて住民へのサービス向上を図るためには、オンライン化を進めるほかに、オンライン化された手続きのさらなる利用促進が欠かせない。政府のIT新改革戦略には「10年までにオンライン利用率を50%以上にする」ことが盛り込まれており、これを実現するために自治体が取組むべき業務改革などを含めて、具体的なガイドラインを策定することにした。

 自治体の申請・届出業務は、これまでの政府のe―Japan戦略、総務省のu―Japan戦略などでオンライン化が促進されている。しかし、オンライン申請システムが導入されていても利用者の視点で構築されておらず使い勝手がよくないために利用者が増加していない。
 また、住民サービスに直結する自治体の電子化が十分でなく、住民や企業から利便性とサービスの向上が実感できないという声も出ている。
 一方で政府のIT新改革戦略では、申請・手続きにおけるオンライン利用率を10年までに50%以上に、また電子申請システムを都道府県レベルでは08年度までに、市町村レベルでは10年度までに整備することをあげている。
 総務省はこうしたことを受けて、自治体が取組むべきオンライン利用を促進するガイドラインを策定することにした。
 基本的な考えとして、@住民の利便性や業務効率化で高い効果が期待できる手続きを重点的に実施するAサービスを提唱する行政側の視点だけでなく利用者の視点に立った利便性の向上やメリット拡大を図るB組織の枠を超えた業務改善など全庁的な推進体制を構築する―ことをうたった。
 そのうえで、住民向け手続きや事業者向け手続きを明確にし、オンライン利用手続きの対象の見直しを提案している。各団体は促進計画を策定し、改善やメリット拡大などの対策内容を決めていくことになる。
 総務省は今後、自治体向けの助言や共同運用が可能なモデルシステムの開発と提供、電子申請システムの整備推進を展開する。さらに、IT化における地方財政措置やオンライン利用環境の整備も図っていく考えだ。

 総務省 http://www.www.soumu.go.jp/