富士通が業務アプリケーションの複雑化を見える化するサービスを開始
08 10/13
富士通は、現状の企業のアプリケーション資産を分析するサービスの一環として、業務アプリケーションの構造を定量的に可視化するサービスを開始した。複雑で保守しにくいアプリケーションや、アプリケーションを修正する際に複雑さに応じてどの程度の影響が出るかを把握できるため、テスト範囲や要員配置を適正化して運用保守効率を高めることができる。このほかに提供している既存のサービスも含め、「企業のIT投資を圧迫している運用保守コストを5割までに引き下げる」(植松一裕常務理事アシュアランス本部長)としている。
現在、企業が費やしている業務システムの運用保守コストは、全IT投資の7割、場合によっては8割を占めるといわれている。これが「ITは金がかかる」といわれ、ひいては企業の新規IT投資を妨げる大きな要因となっている。
そこで富士通は、アプリケーション運用保守の革新として、「IT投資」「現場」「アプリ資産」を見える化し、それぞれの改善策を施すことで効果的なIT投資の実現を目指すというサービスを行っている。
今回発表した新サービスはその一環で、具体的にはアプリケーション資産の品質改善とIT投資の最適化をサポートする「アプリケーションポートフォリオマネージメント(APM)サービス」内の「資産分析サービス」の枠組みで提供する。
アプリケーションを修正する際の影響度を測る尺度として、富士通研究所が開発した新技術「インパクトスケール」を活用する。これをもとに、アプリケーションのソースコードを分析して構造の複雑度を数値化するとともに、視認性の高い構造図としても表現する。
インパクトスケールは、数値が大きいアプリケーションほど複雑で保守しにくく、障害を引き起こす可能性が高いことを示しており、図が広がるほど複雑化したアプリケーションで、保守時の修正範囲も大きくなる。
富士通は、全国展開するITサービスセンターで、APMサービスを適用した運用保守サービスも行っている。これらを含めたアプリ運用保守の革新により、新規のIT投資を全IT投資のうち5割までにする「5:5モデル」の実現を目指す。
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