JFEシステムズが食品の安全管理ソフトで世界進出
09 7/13
JFEシステムズは、米クロスリンク・フード・ソリューションズと提携し、統合食品情報管理システム「Mercrius(メルクリウス)」の北米販売を開始した。クロスリンク・フード社が米国の1次代理店となってメルクリウスを拡販する。業務用のパッケージソフトを日本企業の現地法人ではなく、海外の企業に対して販売し、特に米国で大きな実績を挙げた例はこれまでにはないが、“品質”の管理という日本の強みの分野に活路を見出す。すでにファーストユーザーも決まり、今後5年で80本の販売を目指すとともに、その後も食の安全に関連する他のパッケージで世界進出を図る。
メルクリウスは、食品メーカーが原料規格書や小売店に提出する商品カルテなどの情報のほか、画像情報、配合情報など、製品に関する様々な情報を一元管理できる食品情報データベースで、かつて明治製菓に導入した食品管理システムをパッケージ化したものとなる。
メルクリウスを導入することで、アレルゲン物質や遺伝子組換え食品、添加物、原産国を指定した商品検索などが簡単に行えるため、食品メーカーは、使用禁止農薬や毒物の混入などの事件が発覚した場合、迅速な対応が可能となる。
日本では大手食品メーカーを中心に50社以上が導入しており、2005年には経済産業省などから情報化月間で「情報化促進貢献情報処理システム表彰」を受賞した実績がある。
同社が委託した調査によると、北米でも中国産の原材料を使用した食品事故が多発してからリコールが増え、食の安全やトレーサビリティという問題が重要視されてきたところで、ERPは導入していても、食品情報は一元化せずに紙やエクセルで管理している企業が多いという実態が明らかとなっている。
そのような状況で、米国には売上高300億円以上の食品加工メーカーは315社存在し、カナダとメキシコを含めると400社近いマーケットがあるということで、調査を受託したクロスリンク・マネージメント・サービシズ社が、クロスリンク・フード社を新たに設立し、メルクリウスの米国内販売権を取得した。
同社は、ERPほど大掛りでなく、4-5カ月で導入できる安価なパッケージとして、品質の高い日本製品を管理している品質管理ソフトというブランドイメージとともに売り込む考えだ。
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