パナソニック/モジラ、次世代TVのOS開発で連携
14 1/13号
パナソニックは、米モジラ・コーポレーションと次世代スマートテレビ向けのオープンプラットフォーム開発で提携した。オープンソースのモジラ・プロジェクトで開発を進めている、HTML5などの最新Web技術を採用した「ファイヤーフォックスOS」の新版を共同で開発し、パナソニックが今後自社のスマートテレビに搭載する。オープンプラットフォームを採用することで、スマートテレビと他の機器との連携を容易にする。パナソニックとモジラ・ジャパンは、日本国内におけるファイヤーフォックスOSのスマートテレビへの活用促進およびエコシステムの構築のための活動を行う。
ファイヤーフォックスOSは、次世代Web対応のスマートデバイス向けのオープンプラットフォームとして登場し、アンドロイドの対抗軸としてのポジションを狙っているが、現状でのOSの普及状況をみると、欧州や南米の一部の国で同OSが搭載された安価なスマートフォン端末が発売されている程度にとどまっている。
一方、パナソニックもスマートフォン開発からは撤退したばかりで、テレビ開発も国内他社と同様に、かつてのような勢いを失っている状況にある。また、スマートデバイスは世界的にブームの真っ只中にあるが、スマートフォン及びタブレット端末開発におけるアンドロイドの普及は、日本の電機メーカーにはほとんど恩恵をもたらさなかった。
そういった状況で、今回これから市場が拡大することが見込まれているインターネットと連携した次世代スマートテレビの分野で、両社が提携してオープンな新しい基軸を打ち出した形だ。
スマートテレビをHTML5で制御することで、テレビとインターネット上のコンテンツを連携させるアプリを容易に開発できるようになる。例えば、スマートフォンやタブレットからスマートテレビを操作でき、一台のスマートテレビを家族などの複数のユーザーが視聴する際に、それぞれに最適なユーザーインターフェースでコンテンツを提供することが可能になる。
また、既存のテレビメニューやインターネットで配信されるオンデマンドコンテンツを利用して、独自のサービスを提供するためのアプリなども開発できる。
今後パナソニックは、同プラットフォームを採用したスマートテレビを商品化する予定で、両社は共同でプラットフォームの普及活動に取組む。