富士通が企業向けモバイル事業を強化
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富士通は、企業向けのモバイル事業を強化する。既存のサービスメニューや製品ラインアップに、モバイルPaaS基盤などの新しいサービスを追加し、「富士通モバイルイニシアチブ」として体系化した。モバイルを導入するためのコンサルティングから自社開発によるモバイル端末、ネットワーク、セキュリティ対策、クラウドのモバイル活用基盤、アプリケーション開発、システム運用までをすべて提供できる総合力を強みとしてサービスを展開し、今年度2300億円、2年後には4千億円の売上を目指す。
富士通のモバイルビジネスでは、法人向けのみでこれまで約7千件の商談実績を持ち、昨年度の受注件数は前年度比6倍と大きく拡大している。
これまでもデバイス、アプリケーション、ミドルウェア、サービスと総合的に展開し、特に他のメーカーがパソコンやスマートフォン事業から撤退するなか、富士通は現在、モバイルノートPCからタブレット、スマートフォンまで35モデルをそろえており、今後も「富士通はコトとモノの両面でサポートする」(大谷信雄執行役員常務)ことをモバイル事業の強みとしていく。
サービスを体系化するにあたり、新サービスと強化したサービスをそれぞれ3種類ずつ発表している。
モバイルシステムの導入にあたり、企業がモバイルを活用する際のビジョンや利用シーンのイメージ、効果検証によって導入の意思決定を支援するコンサルティングを開始し、10月からは、同社がこれまで実施してきたモバイル活用商談の実績に基づく標準構成モデルを用いた、インフラ構築サービスを提供する。
モバイル活用基盤として、モバイルアプリ開発・実行基盤「クラウドPaaSモバイルスイート」を10月から提供する。従業員がスマートデバイスを活用するための統合管理機能やセキュリティ機能を実装し、既存システムやISVパートナーのシステムとの連携させるためのインターフェースやAPI、モバイルアプリ開発用のSDKなどを備え、短期間にモバイルシステムの業務への適用を可能とする。
端末自社開発の強みを活かし、大規模ロットの顧客には、要望にあわせた個別仕様への対応を行うほか、カスタマイズ対応、出荷工場での一括キッティングなどを行う。