キャノンとオラクルがオフィスの情報連携で協業

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 キヤノンと米オラクル社、両社のグループ会社であるキヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)と日本オラクルは、オフィス向けソリューション分野で協業し、社内の複合機と基幹系、情報系のシステム連携を実現する情報連携プラットフォーム製品を開発する。情報連携プラットフォームは、両社の複合機や業務アプリケーションだけでなく、他社の複合機やERPも連携させることができる。製品はグローバルレベルでSI会社やユーザーに対して販売し、「2015年にグローバルで200億円の売上を目指す」(キヤノン中岡正喜常務取締役)としている。

 今回の協業により両社は、企業内のIT環境における部門間の壁という問題の解決を図る。キヤノンの事業領域である複合機を基点にしたイメージングソリューション分野のシステムは、これまで総務部門が管理、構築してきたのに対し、オラクルが提供しているERPやCRMなどの業務アプリケーションは、情報システム部門が構築し運用している。
 それによって「管轄の違いという問題から双方の情報連携が難しい」(日本オラクル遠藤隆雄社長)という状況が発生し、社内でのビジネスフローが効率化されていない場合が多いというのが現状だ。
 協業の第一弾として、キヤノンのイメージング処理技術とオラクルのソフト技術を組み合わせて、総務系のシステムと情報システムを円滑に連携させるSOA対応の情報連携ミドルウェア「SOAベースのイメージングプラットフォーム」(仮称)を開発する。
 同製品は、情報システムから複合機にまで範囲を広げたEAIソフトで、OCR処理を伴う紙文書のスキャニング機能やPDFの結合・分割機能、帳票の自動生成機能、さらにERPやCRM、ECMなどの業務アプリケーションと連携するアダプター機能が搭載されている。
 これにより、病院で患者が記入した問診票をスキャナーで取り込んで電子カルテに活用するシステムや、領収書などの紙が発生する経費精算システムをスキャナーやOCRで完全電子化するなど、業務プロセスを効率化するワークフローを低コストで開発できるようになる。

 製品の開発はキヤノンITSが行い、オラクル社と日本オラクルが技術協力する。製品価格は、4CPU380万円からで、国内では2012年1月からキヤノンITSが、米国では同年上半期に現地の子会社を通じて販売する予定となっている。

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