キャノンとオラクルがオフィスの情報連携で協業
11 10/3
キヤノンと米オラクル社、両社のグループ会社であるキヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)と日本オラクルは、オフィス向けソリューション分野で協業し、社内の複合機と基幹系、情報系のシステム連携を実現する情報連携プラットフォーム製品を開発する。情報連携プラットフォームは、両社の複合機や業務アプリケーションだけでなく、他社の複合機やERPも連携させることができる。製品はグローバルレベルでSI会社やユーザーに対して販売し、「2015年にグローバルで200億円の売上を目指す」(キヤノン中岡正喜常務取締役)としている。
今回の協業により両社は、企業内のIT環境における部門間の壁という問題の解決を図る。キヤノンの事業領域である複合機を基点にしたイメージングソリューション分野のシステムは、これまで総務部門が管理、構築してきたのに対し、オラクルが提供しているERPやCRMなどの業務アプリケーションは、情報システム部門が構築し運用している。
それによって「管轄の違いという問題から双方の情報連携が難しい」(日本オラクル遠藤隆雄社長)という状況が発生し、社内でのビジネスフローが効率化されていない場合が多いというのが現状だ。
協業の第一弾として、キヤノンのイメージング処理技術とオラクルのソフト技術を組み合わせて、総務系のシステムと情報システムを円滑に連携させるSOA対応の情報連携ミドルウェア「SOAベースのイメージングプラットフォーム」(仮称)を開発する。
同製品は、情報システムから複合機にまで範囲を広げたEAIソフトで、OCR処理を伴う紙文書のスキャニング機能やPDFの結合・分割機能、帳票の自動生成機能、さらにERPやCRM、ECMなどの業務アプリケーションと連携するアダプター機能が搭載されている。
これにより、病院で患者が記入した問診票をスキャナーで取り込んで電子カルテに活用するシステムや、領収書などの紙が発生する経費精算システムをスキャナーやOCRで完全電子化するなど、業務プロセスを効率化するワークフローを低コストで開発できるようになる。
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