SAPジャパンが非ERP領域を強化

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 SAPジャパンは、非ERP領域のビジネスを強化する。昨年度はすでにBIなど非ERP領域の売上が全体の約4割に達しており、今年度は昨年末に発表したインメモリーコンピューティング技術を採用したデータ・ウェアハウス(DWH)アプライアンス「HANA(ハナ)」で、情報系エンタープライズDWH分野におけるビジネスを本格展開する。非ERP部門を統括する上野豊バイスプレジデント・ソリューション営業統括本部本部長は、「HANAは当社ではR3以来の画期的な製品。今年度は非ERP領域の売上比率を5割以上に伸ばしたい」としている。

 昨年度のSAP全体のソフト売上高は、不況からの回復に伴って前年比25%増となり、過去で最も伸びたという状況のなか、SAPジャパンも全体の売上高が8%増、ソフトおよび関連サービスの売上高は12%増だった。
内訳を見ると、既存のコア領域である大企業向けのERP分野の売上げが伸び悩むなかで、売上高500万円以上の中堅企業向けの売上げと、BI/アナリティクス分野が伸びた。
 特にビジネスオブジェクツの買収に続き、昨年新たにDWHアプライアンス「HANA」を発売するなど、BI/アナリティクス分野に注力している。
 これまで同社は、DWHの領域では他社製品を組み合わせて提供していたが、新たにインメモリーコンピューティング技術で超高速検索を実現したHANAで新規マーケットに参入し、今後のビジネス拡大に期待を寄せている。「オンラインショップや物流、サプライチェーン事業者などのニーズを見込む」(ギャレット・イルグ社長)としている。
 HANAは、今までは1億円程度かかっていたハードのコストが数百万円で済み、システム構築を含めても2千万円程度におさまる。これにより、大手企業だけでなく、中堅企業に対するアプローチも行いやすくなる。SIパートナーにとっても、圧縮したコストの分だけアプリケーション開発を提案できるというメリットがある。
新たなビジネス展開に伴って、チャネルビジネスを今年度25%増という目標を掲げており、パートナーを支援するためのプログラムも拡充する。スキルや販売を簡素化するための情報を掲載した専用のWebサイトを今後開設するほか、SAPシステム運用の認定制度などプログラムや契約の改善を行う。

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