日立製作所が情報系子会社3社を完全子会社化
09 8/3・10
日立製作所は、上場子会社である日立情報システムズ、日立ソフトウェアエンジニアリング、日立システムアンドサービスなど5社を完全子会社化する。8月20日から各社株式の公開買い付け(TOB)を実施し、2009年度内に完了する見込みだ。同社は、事業ポートフォリオの再編を進めると同時に、「社会イノベーション事業」の強化を今後の日立再生の旗印として掲げており、それらを実現するために必要な措置として、「情報通信システム」「社会インフラ」「リチウムイオン電池」の各事業の中核となる5社の完全子会社化に踏み切った。
日立は昨年度決算で過去最悪の7838億円の赤字を計上しており、川村隆会長兼社長が新たにトップに就任して目下立て直しの最中にある。そこで出された方針は、これまで総合電機メーカーとして展開してきた事業内容を見直し、今後は、高度な情報通信技術に支えられた社会インフラを構築する社会イノベーション事業へと経営資源を集中させるというものだ。
そのため、同事業を構成する領域の日立情報、日立ソフト、日立システムの情報系3社に加え、社会インフラ分野の日立プラントテクノロジー、今後の成長分野であるリチウムイオン電池をはじめとした二次電池関連分野の日立マクセルの5社を完全子会社化する。
情報通信分野に関しては、3社を子会社化することにより、システム構築力の向上をはじめ、今後のサービスの拡大とともに競争激化が予測されるアウトソーシングやSaasなどへの対応を強化し、ITライフサイクルの全フェーズでワンストップサービスを提供できるようにする。
具体的な重点分野は、「グリーンデータセンター事業」「クラウドコンピューティング関連事業」「グローバル事業」「国内SI事業」「組込みソフト」「ネットワークサービス事業およびアウトソーシング事業」としている。
今回の再編に伴い、日立は事業ごとのカンパニー制を採用する。情報通信システム事業分野では、日立の情報通信グループと今回完全子会社化する3社、さらに日立電子サービスの主要5社を中心としてカンパニーを形成することになる。
日立はこれらの施策により、今年度を再生の年と位置付け、2010年度決算において完全黒字化を図る。
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