政府、IT戦略の推進を加速
14 1/1号
政府の高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT戦略本部)は政策会議を開催し、6月に閣議決定となった「世界最先端IT国家創造宣言」の実現に向け複数のIT戦略方針の骨子をまとめた。これらをもとに、今後関係府省が取組むべき具体的な活動計画を検討していく。人材育成分野では、IT業界だけでなく、就学前の子どもから高齢者まで触れた創造型IT人材育成方針案を発表した。これから普及が予測されるビッグデータの活用に向けた、個人データの利活用に関する制度の見直しについても方針を固めた。
第2次安倍政権では、発足時からITを日本の復活および成長のためのエンジンと位置付け、昨年今後のIT戦略となる世界最先端IT国家創造宣言を策定した。
IT国家創造宣言では、「国民全体のIT利活用能力の底上げ」と「日本の経済発展に寄与する高度なIT人材の創出(高度IT人材の育成)」によりさらなる経済成長の基盤を構築し、2020年までに「世界最高水準のIT利活用社会」の実現を目指すと方向性を示している。
その実現に向け、今後IT人材育成分野において府省横断的に取組んでいくため、「創造的IT人材育成方針」を策定する。今回は、その原案をとりまとめた。
国民全体のITリテラシー向上のための施策は、学校現場の教育などの従来型アプローチに加え、 就学前の子どもから高齢者、ITを得意とする人とそうでない人、教育・指導する人を意識して国民全体を分類し、各層に求められる能力項目を設定していく。
また、高度IT人材の育成においては、高度IT人材をITの枠を超えたイノベーションを創造する「IT利活用社会をけん引する人材」とITを業務に活かす「IT利活用社会を支える人材」に分類し、求められる能力項目を設定していく方針を示した。
ビッグデータのなかで特に価値が高い個人データの利活用問題については、消費者のプライバシー意識が高まり、事業者が個人情報保護法を遵守していても批判を受けるケースも見受けられたことから、今後保護されるパーソナルデータの範囲を明確化していく。
また、それ以外の本人を判別できないように加工したデータを第三者提供する際には、本人同意を要しない形とし、それを取り扱う事業者が負うべき義務を法的に示していく。
高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT総合戦略本部)