IT戦略本部が電子行政のサービス基盤構築で新組織を設置

07 10/29

 IT戦略本部は、2010年度までに様々な行政サービスをワンストップで行える次世代の電子行政サービス基盤を構築するため、新たに内閣官房IT担当室電子政府推進管理室に官民合同の専任組織「次世代電子行政サービス基盤等検討プロジェクトチーム」を設置した。利用者からは簡素で便利な、行政側ではバックとフロントの両オフィスが連携して効率的なサービスを提供できる基盤創出を担うことになる。これはIT新改革戦略政策パッケージにおける重点計画―2007を受けたもので、標準モデルに必要な検討課題を明らかにしていく。

  今回のプロジェクトチームの設置は、単年度政策「重点計画―2007」で具体化された項目を進めることにある。総合行政サービスを実現するには受付窓口となる部門だけでなく、国と地方公共団体が連携してデータを利用できるワンストップの基盤システムの構築が必要となっている。
  そこで、プロジェクトチームは、利用者視点に基づいた行動フローの分析とニーズの把握、府省間および国・地方間のバックオフィスの連携、国と自治体の情報システムのデータ標準化、次世代電子行政サービス基盤のグランドデザインの策定、同基盤の標準モデル等の構築、これら項目において検討・調査する必要のある事項の明確化を進めていくことにした。
  構成員として挙がっているのは、市川市の井堀幹夫情報政策監や経団連情報通信委員会の遠藤紘一情報化部会長(リコー執行役員)、東京都総務局の紺野秀之情報システム部長、東京電力の清水俊彦情報通信事業部長など10名で、必要に応じて増員を行う。また、業務面及び技術面でワーキンググループを設置し、具体策を検討していく。ほかに関連府省の担当課長が参加する。
  具体的なイメージを住民の引越(転入・転出)で見ると、役所に転出届を提出し転出証明書が発行されると、転出先役所にデータが転送されて住民課や国民健康保険課、福祉課などの更新が自動的に行われる。さらに公共サービス機関などへも変更届けが通知される。
  こうしたワンストップサービスを実現するためには国・自治体、民間の相互連携基盤の創出が欠かせないため、プロジェクトチームが具体的な策をまとめていく。「今年度中に3回程度の検討を行い、来年4月には基本構想の取りまとめを行う」予定となっている。

 高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT戦略本部)