IT戦略本部が「重点計画-2007(案)」を策定
07 6/11 政府のIT戦略本部は、4月に策定されたIT新改革戦略政策パッケージを確実に達成するための単年度の実施計画となる「重点計画-2007(案)」を策定した。内容は大きく、政策パッケージを推進するものとIT新改革戦略およびその他の政策を推進する施策に分かれている。また、06年度の評価をもとに施策反映を行うとともに、政策実施のライフサイクルに沿った評価、見直しを強調している。政策パッケージの最終目標年が2010年であることから、重点計画-2007(案)への期待は大きく、戦略本部では広く意見の募集を開始した。
今年度の施策として、政策パッケージの推進のために掲げたのは、効率性・生産性向上と新価値の創出などにからんだ11項目をあげた。具体的には、電子行政窓口サービスなどの実現では、08年度早期に基本構想を作成するために官民合同のプロジェクトチームを設置する。
関連して電子行政サービス利用の環境整備を推進するために、個人事業主などが使いやすいソフト、マニュアルの策定のための環境整備を図り、今年度中に課題を抽出して分析を行うことを示している。
一方で、経済社会のインフラとして電子商取引および電子タグ基盤の整備を進め、業種や取引先を超えた産業横断的な情報共有の仕組みを実現するルール策定を推進することになる。
そのほかに、国民の安全(健康、交通、セキュリティなど)やICTの国際競争力強化、高度IT人材育成の循環メカニズムの形成など、全部で26項目となっている。
これらは、IT戦略本部から担当の各府省に引き継がれ、施策として具体化されることになる。当然、単独で当る場合や関係省庁が連携しなければならないものもあり、これらをIT戦略本部などがバックアップする。
今年度終了時には、昨年度と同様に民間有識者からなるIT新戦略評価専門調査会が評価、報告し、次年度の計画に反映していくことになる。
日本はITインフラの整備は進んでいるが電子行政サービス分野では先進国といえない調査結果も出ており、単年度の具体的な施策がIT新戦略の実現に大きな意味を持つ。IT戦略本部では今回の重点計画-2007(案)へのパブリックコメントを6月27日まで募集している。