NEDOがクラウドコンピューティング環境へ完全移行

09 9/28

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、現在のシステム環境を刷新する。クラウドコンピューティング環境に移行し、端末はシンクライアントを採用する。システムにかかる経費は現状維持となるが、その分環境ならびにセキュリティ対策の強化、運用管理の強化・合理化、ユーザー利便性の強化を実現する見込みだ。事前に公表した計画では年内に入札公告を行う予定で、2010年7月からのシステム利用開始を予定している。国の機関として1千台規模でシンクライアント・クラウド環境へ移行するのは、今回が初の大規模事例となっている。

 NEDOは、今年の3月に「NEDO PC-LANシステムの業務・システム最適化計画」を策定しており、そこでこれまで団体内で運用してきたIT環境を刷新し、外部の事業者からITサービスを調達するというコンセプトを明らかにした。
  今回、それに合せた仕様書案を公開し、一般に意見を求めているところで、そこでの意見をふまえて完全版の仕様書を策定し、年内の公示を目指す。
  現在は、メールサーバーを内部に設置して個人は1人1台パソコンを利用し、業務に応じてノートパソコンも利用していた。さらに、システム保守のための外部ベンダー要員が常駐するという形式をとっている。
  今後はサーバルームをなくし、1千台以上のNEDOのLAN内に存在するパソコンを一斉にシンクライアント端末に切り替え、クラウドコンピューティングサービスに乗り換える。
  これにより、不正操作や情報漏えいの防止を図るとともに、NEDO全体で利用する電力使用量の約半分を占める現在のシステムが費やす電力使用量を、3割から4割削減する。NEDO全体で2割程度の使用電力削減を実現し、グリーンITに寄与する見込みとしている。
  ソフト・サービス面では、現在は社内にヘルプデスク機能を備えているが、外部のシェアードサービスへと移行する。メールサーバーも外部のものを利用し、業務単位で利用しているオフィスソフトなどのその他のアプリケーションもSaaS形式で利用する。
  システムの経費は以前と変わらないが、運用の効率化や機能面での大幅向上などにより、大きな効果が得られるとしている。

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新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)